「危険」にさらされる選手たち…「事故」防止へ安全な移動環境の整備を

[ 2019年2月26日 09:30 ]

大勢のファンに囲まれてサインをする中日・松坂
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 中日・松坂の「右肩負傷事件」が、あらゆるメディアで報道され、さまざまな角度の憶測が出回っている。その中には球団の「警備不足」を指摘する声が多かった。ただ、シーズン中、常に帯同する立場からみれば、この件以上に「危険」な場所は多く存在する。

 一番、感じるのは移動。前回のコラムでロッテのドラフト1位・藤原が、新幹線の車中で執拗(しつよう)にサインを求められたことを書いたが、1月30日に石垣島へ出発した際、羽田空港の出発ロビーには約30人のファンがいた。通常は航空券を持たなければロビーへ入ることは不可能。ただ、搭乗せず、航空券を払い戻せばキャンセル料は数百円で済む。空港側も実際、購入しているだけに取り締まるのは難しい。

 ただ、出発ロビーまで入るのはコアなファンやマニアであり、サインを無理強いすることは少ない。より、危ないのは新幹線移動だ。昨年、日本シリーズ取材で広島へ向かう博多駅。ソフトバンク・柳田が現れると、ファンだけではなく、一般の乗客もスマートフォンを片手に群がった。ホームに防護柵があるものの、ホームへ上体を乗り出すように撮影していた人もいた。

 いずれも球団の手の届かない場所での出来事である。ただ、故障だけでは済まない「事故」にもつながりかねない現状は確かにある。それを把握し、各所と連携しながら、安全な移動環境を整える必要性はありそうだ。(記者コラム・福浦 健太郎)

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2019年2月26日のニュース