槙原氏 輝星よ“クレバー型”桑田目指せ

[ 2019年1月19日 10:00 ]

ブルペンで投球練習する吉田輝(撮影・沢田 明徳)
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 日本ハムドラフト1位・吉田輝の初ブルペンを、スポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(55)が映像でチェックした。2段モーションで軸足に体重を乗せるフォームの利点に加え、それを可能にする下半身の強さを絶賛。槙原氏の巨人時代の同僚だった桑田真澄のようなクレバーな投手になることを期待した。

 注目を浴びる初ブルペン。私自身も高卒ルーキーだった当時は非常に力んだことを覚えているが、吉田輝は気負うことなく、力の抜けたいいフォームで投げていた。あれだけ気持ちを抑えて投げられるのは、自分自身をよく知っていることの表れだろう。

 注目したのは左足だ。一度スッと上げた後、ためをつくってもう一度上げる2段モーション。この一連の動きで軸足である右足にグッと体重が乗り、その「ためた力」を前(打者方向)に向かって解放することが可能になる。高卒ルーキーながら、意識して丁寧に投げていることにクレバーさを感じた。

 そのフォームができるのは、下半身の強さがあってこそ。吉田輝は尻からのラインが太くてがっしりとしており、その下半身で「ため」をつくる。体幹の強さも感じた。投手にとって一番大切な部分。高校時代にしっかりトレーニングしていたことがよく分かった。

 癖がなく、非常にきれいなフォーム。それゆえに、打者から見た際に威圧感を感じない部分もあるかもしれない。そこで吉田輝には、丁寧に低めに投げ、試合をきっちりとつくるクレバーな投手を目指してほしいと思う。例えば桑田のようなタイプ。球速を追求することも大切だが、プロの世界では変化球も磨かなければならない。器用なタイプに見えるし、現在のフォームなら変化球もきっちりと制球できるだろう。

 まだ立ち投げ。ここからどう階段を上っていくのか、非常に楽しみだ。(本紙評論家)

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