巨人・吉川尚は“投手に勇気を与える守備”の持ち主

[ 2018年12月17日 10:00 ]

ボールパーク

削り立てのバットを、ティー打撃で試し打ちする巨人・吉川尚
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 【槙原寛己氏の目】巨人・吉川尚は「投手に勇気を与える守備」の持ち主だ。非常に守備範囲が広い。広島・菊池の2〜3年前の最盛期と比べても遜色がない。菊池は今季は範囲こそやや狭くなったが、アクロバティックで派手なプレーは健在。一方の吉川尚は目立たないかもしれないが堅実で、グラブさばき、肩の強さも一級品だ。

 菊池同様、定位置より後ろで守る。その分だけ左右の幅が大きくなり、「抜けた」と思われる打球にも追い付く。後ろを守るのはリスクがあり、前に転がったボテボテの打球は内野安打になる危険性が増す。吉川尚は足の速さなど俊敏性でカバーし、ギリギリで一塁でアウトにする。その自信があるからこその守備位置。ポテンシャルが素晴らしい。

 投手は、打たれた瞬間に抜けたと思った打球を捕ってもらえると、本当に勇気をもらえるものだ。特に走者が得点圏にいる場面など、折れかけた心を救ってくれる。守備との信頼関係。打たせて取ればいい、となれば投球パターンも大きく変わる。打順は2番。3番・丸につなぐ重要な役割だけに、打撃で奮起すれば守備、走塁と相まってチームに欠かせない戦力になる。(スポニチ本紙評論家)

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