ハム逆転V諦めん!地震後初の試合は敗戦も0―9から反撃4点

[ 2018年9月9日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム4―9楽天 ( 2018年9月8日    楽天生命パーク )

4回1死一塁、左越えに2ランを放ったレアード(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 楽天応援団から声援が飛ぶ。「頑張れ、頑張れ、北海道」。敵地もホームもない。東日本大震災を知る東北のファンからの、熱いメッセージだった。

 「どういう状況なのかは、みんな分かっている。今、どんな姿勢を見せられるか。やれることを精いっぱいやったけど、勝ちきることだけできなかった」

 試合後、日本ハム・栗山監督は険しい表情で言った。最大震度7の大地震から2日。試合中止となった前日に新千歳空港から臨時便で仙台入りした。地震当夜は全道が停電。真っ暗闇の中で一夜を過ごし、食事もままならなかった。難しい調整。でも、栗山監督は「今の状況を考えたら、我々の苦労なんか知れている」。だからこそ、東北の人たちの声援が心にしみた。

 試合は3回までに先発・上沢が9点を失った。地震の影響による調整難。でも、誰も諦めない。4回にレアードが26号2ラン。5回には大田、中田が適時打を放った。楽天・岸から4得点。レアードは「何かのきっかけになればいいと思って打った」と話し、中田は続けた。「悔しい。こういうときだからこそ、勝ちたかった。それ(停電などで練習不足)は言い訳にできない。上沢は影響あっただろうけど、助けてやることができなかった」。敗れても、プロ野球人の使命感をひたむきなプレーで見せた。

 スタンドにこんな応援ボードがあった。「地震に負けるな。ともに戦おう。北海道」――。首位・西武とは5・5ゲーム差。北海道の人々のため、そして東北のファンへの恩返しへ、逆転Vの灯は消さない。 (秋村 誠人)

続きを表示

2018年9月9日のニュース