大谷、3戦連発19号 北海道に「いいニュースを」届けた

[ 2018年9月9日 05:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―2ホワイトソックス ( 2018年9月7日    シカゴ )

3回1死一、二塁、19号3ランを放つ大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(24)が7日(日本時間8日)、ホワイトソックス戦で決勝の19号3ランを放ち、06年の城島健司(マリナーズ)に並んでいたメジャー1年目の日本選手のシーズン最多本塁打記録を更新した。医師や球団から右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を勧告されている中で今季2度目の3戦連発。今季終了まで打者としてプレーを続けることを明かした。

 苦手の左腕からの厳しい内角球。それでも大谷はロドンの94マイル(約151キロ)直球をさばき、右中間席に運んだ。中堅手エンゲルのグラブごと、フェンスの向こうに叩き込んだ。

 1―1の3回1死一、二塁で放った決勝の19号3ラン。「なかなか難しいところ(コース)だったと思うが、うまく反応していいところに入ってくれてよかった」。3戦4発。松井秀喜の16本、城島健司の18本に対し、4日レンジャーズ戦からの3試合で並び、あっという間に超えた。

 8月以降は10本目。量産にも「本塁打を打てる確率は高くない打ち方」と、あくまで外野手の間を抜く二塁打を基準とした打撃スタイルだという。だが、「ちょっと詰まった」と振り返りながらも右中間フェンスを越えるパワーはメジャートップクラス。さらに15号までゼロだった左腕から2本目を放ったことには成長を感じている。「慣れの部分だったり、打席数を重ねる度に見え方が良くなるところは一番大きい」。結果が出ず、対左の出場機会が減る悪循環を克服した。マイク・ソーシア監督も「右左に関係なくバットがよく振れている」と絶賛した。

 「日本のベーブ・ルース」と称される男の、本家ばりの「予告アーチ」だった。約3時間前。右肘に新たな損傷が発覚して以来、初めて報道陣に対応し、古巣・日本ハムの本拠地がある北海道で起きた大地震についても語った。「こういう(手術を勧告された)ニュースを届けるというのは、ちょっと申し訳ないんですけど」と恐縮しつつ、こう続けた。「何とかいいニュースを届けられるように、今日も頑張りたいです」。最高の結果で有言実行を遂げた。

 手術を受けるか否かは10日(日本時間11日)に最終結論を出す。ただ、あくまで二刀流を貫く気持ちは揺らいでいない。「僕もそう思っているし、球団もそう思っていると思う。今のところはその方向で進むつもり」。さらに、今季いっぱいは打者で出場を続ける意向で「このままシーズンをしっかり最後まで自分らしくプレーしたい」と誓った。次戦では日本選手初の4戦連発が懸かる。片方の刀は折れてしまった状態だが、もう一本の輝きは増すばかりだ。

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2018年9月9日のニュース