巨人・今村 ついに開花し始めた7年目左腕 菅野、杉内、内海を教材に

[ 2018年8月23日 11:00 ]

巨人・今村
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 飛躍の年となるのだろうか。巨人・今村の調子が良い。ここまで8試合に登板し、4勝2敗、防御率2・82。6月に1軍昇格すると、今では先発ローテーションの一角を担うまでに成長しつつある。

 「まだまだいっぱいいっぱいです。でも、充実していると言うか、1軍で投げられている楽しさはあります」

 7年目。覚醒の裏には、何があったのか。謙遜する本人に代わり、小林が「シュートが大きいと思います」と教えてくれた。3年前から投げていたシュートが有効利用できるようになったという。

 これで左打者を抑え込めるようになった。自己最多の16試合に登板した16年は、対左の成績が悪く、防御率5・59と悪化した。今年は対右の被打率・216に対し、左も・263。「苦手意識がなくなったのは大きい」と自信に変えている。

 左打者のインコースを厳しく突くシュート。これまでは投げきれずに甘いコースに入って痛打されることが多かった。自然と捕手のサインも減っていった。「気持ちを変えました」。精神面の成長が、左の懐を突けるようになった。140キロ台の直球にスライダー。90キロ台の緩急をつけるカーブも習得し、いまはシュートもある。

 エースの菅野、山口俊は別として、チームの先発陣は盤石とは言いがたい。不振で中継ぎに配置転換した野上や、左手骨折でリハビリ中のヤングマンの誤算もあった。穴を埋めるように復調している内海や、今村の存在は非常に大きなものだ。

 5日の中日戦ではプロ初完封も成し遂げた。内海の自主トレに同行し、3軍スタートとなったキャンプでは杉内からスライダーの投げ方も教わった。1軍では最高の教材である菅野もいる。シーズンも佳境。今村には来季にもつながるようなマウンドを積み重ねていってもらいたい。(記者コラム・川手 達矢)

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2018年8月23日のニュース