ダル右肘疲労骨折の恐れで今季終了 “高給取り”地元メディアの批判が復帰急がせ…

[ 2018年8月23日 05:30 ]

右肘の状態について話すカブスのダルビッシュ
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 右肘痛を再発したカブスのダルビッシュ有投手(32)が、今季残り試合に登板しないことが決まった。21日(日本時間22日)、セオ・エプスタイン編成本部長(44)が疲労骨折などを予防するため、6週間はノースローとなることを明らかにした。悲願の世界一を目指し、オフに6年総額1億2600万ドル(約138億6000万円)で移籍した右腕の1年目は、わずか1勝に終わった。

 約2カ月ぶりの実戦となった19日のマイナー戦で右肘痛を再発させ、1回で降板したダルビッシュについて、エプスタイン編成本部長は電話会見で一つ大きな訂正をした。

 「私たちは“ストレス反応による痛み”が5月末から彼を悩ませていたと確信している。その症状と痛みは、復帰への過程でずっと出ていた」

 ダルビッシュは5月26日に右上腕三頭筋の腱炎と診断されて故障者リスト(DL)入りしたが、球団は「(筋)組織に損傷なし」と早期復帰への見通しを示した。だが、2度の復帰への試みは失敗。肘の炎症なども引き起こした。今回は当初の検査結果の間違いを認めた形だ。

 その過程では大型契約ゆえの不運が重なった。まず、医療スタッフが移籍1年目のダルビッシュの体の状態を把握し切れていなかったこと。今春キャンプには体重を落として臨んでいたが、5月上旬にひどい風邪に苦しみ、二重に筋力が低下していた。復帰へは慎重を期すべきだった。しかし、鳴り物入りで入団しながら「軽症」の診断とは裏腹に離脱が長期化した右腕に地元メディアは批判的だった。

 ダルビッシュも復帰を急いだ。6月末の一度目の復帰失敗の後は、テークバックを小さくする修正を試みたり、時間があれば人体構造のアプリで腕の中の筋肉や骨の構造を勉強し、自分なりに原因を探った。しかし、19日のマイナー登板で強度を上げて腕を振ると、右肘は再び悲鳴を上げた。自ら球団にMRI(磁気共鳴画像装置)検査を要求して、今回の診断結果が判明した。

 ジョー・マドン監督は「来年戻ってくることができればいい」、エプスタイン本部長は「少なくとも今は、彼が何と闘っていたのかは理解できている」と話した。不幸中の幸いは、6年契約の1年目であること。チームは地区首位につけているが、ダルビッシュはレギュラーシーズン終了を待たずに、一足先に来季へ仕切り直す。

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