阪神・藤川、貫禄の2回零封 “球児のコトバ”ブルペンでも存在感

[ 2018年7月30日 09:02 ]

セ・リーグ   阪神10―4ヤクルト ( 2018年7月29日    神宮 )

8回2死一・三塁、藤川は代打・川端の打球を好捕した遊撃手・北條を指差し笑顔を見せる(撮影・岩崎 哲也)
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 しびれる展開で託されたバトン、そしてベンチから寄せられる大きな信頼が、阪神・藤川を奮い立たせた。

 同点の7回から登板すると、対峙したヤクルトの中軸を力でねじ伏せた。先頭・青木を遊直に仕留めると、山田、バレンティンを直球、フォークでバットに空を斬切らせ連続三振。5回にメッセンジャーが同点に追いつかれる嫌な流れを断ち切り、試合の潮目を一気に変えて見せた。

 直後の8回に打線が1点勝ち越すと、2イニング目のマウンドへ。2死から四球と安打で2死一、三塁と一打同点の場面を迎えるも、代打・川端の三遊間へのライナーを北條がジャンプ一番で好捕。試合後は「最後(川端の打席)は自分の負けかな」と苦笑いを浮かべたものの、背番号22の気迫が、わずかに勝った。

 任された2イニングを零封し、6月28日のDeNA戦以来となるイニングまたぎには「(中継ぎが)1イニングって決まってるわけじゃない」と涼しい顔。金本監督も「「(藤川の投入機は)相手の打順を見ながら。普段の球児なら8回を任せられるんだけど、きょうは打順で。30球くらいになると、バテるけどな」と魂の力投を笑顔で称えた。

 ブルペンを支える百戦錬磨のプロ17年目。マウンドで打者をなで斬るだけが、仕事ではない。後輩リリーバーたちには、慎重に、的確に、助言を送る。

 「少しでも的が外れたことを言うと、マウンドで邪魔になるからね。そこはすごく重要なところ。ゲームは動いているから無駄な精神論は言わない」

 昨年から中継ぎに転向した岩崎も“球児のコトバ”に感謝する1人。「一言、一言が投げている中で“そういうことか”となる。勉強になりますし、本当にありがたい」と未体験のポジションで何度も救われた。年下がほとんどのブルペンで、存在感は絶大だ。

 「反省して、また明後日、頑張ります」。チームのために、厳しい夏も腕を振り続ける。(遠藤 礼)

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2018年7月30日のニュース