【北大阪】大阪桐蔭、これぞ王者の底力 9回2死から冷静につないで逆転勝利

[ 2018年7月28日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念北大阪大会準決勝   大阪桐蔭6―4履正社 ( 2018年7月27日    シティ信金 )

<履正社・大阪桐蔭>劇的な逆転で決勝進出を決め、笑顔でスタンドに向かう大阪桐蔭ナイン(撮影・北條 貴史)
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 全国高校野球選手権地方大会は27日、12大会19試合が行われた。北大阪大会準決勝では大阪桐蔭が履正社との宿敵対決を9回2死からの逆転で制した。新たに5代表が決定。きょう28日は8大会9試合が行われ、7代表が決まる。

 死の淵に立たされた。1点を追う9回無死一塁から石川の犠打は三塁への小飛球。痛恨の併殺打であと1死の状況まで追い詰められた。百戦錬磨の西谷浩一監督ですら「棺おけに片方の足が入ったというか、両足が入るところまでいった」と表現した2死無走者から、大阪桐蔭のミラクル劇は始まった。

 宮崎、中川、藤原、根尾の4連続四球で同点。絶体絶命でも各打者がしっかりと浜内の球を見極める冷静さがあった。さらに、山田が左前へ勝ち越しの2点適時打。仲間がつないだチャンスから激戦に終止符を打った背番号4は「集大成の大会。ここで弱気にはなれない」と胸を張った。中川は「ここで負けるようなチームはつくっていません」と言ったが、内心は「ちょっとやばいなと思っていました」と笑った。

 5回までに4併殺打。準々決勝に続いて先発した今秋ドラフト1位候補の根尾も、147キロを計測して0を並べた6回までと一転、終盤は苦しんだ。7回に1点。8回は攻撃で無死満塁を逃した悪い流れのまま、3点を失って逆転された。それでも、それでも、勝ちきる。根尾は「厳しい試合を経験してきたし、相手の方から崩れた。経験の差だと思う」とうなずいた。

 9回からエース柿木が登板。自己最速タイの148キロを叩き出し、激戦を締めくくった。史上初の大阪決戦だった昨春センバツ決勝でも対戦した宿敵。夏の大阪大会に限れば、対履正社は11連勝だ。「最高の相手と最高の試合ができて幸せ。春夏連覇できるよう暴れます」。千羽鶴を受け取った中川は浜内と固い握手を交わし、約束した。 (吉仲 博幸)

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