DeNA東プロ初完封!新人1番乗り 防御率リーグトップ浮上

[ 2018年5月17日 08:37 ]

セ・リーグ   DeNA5―0阪神 ( 2018年5月16日    甲子園 )

完封勝利を挙げ、好リードの嶺井とハイタッチをかわす東(左端)
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 DeNAのドラフト1位・東克樹投手(22)が16日の阪神戦で3安打のプロ初完封勝利。4月19日以来の3勝目を挙げた。愛工大名電、立命大時代も含め、自身初となる甲子園初勝利は、12球団の新人完封一番乗りとなった。チームを阪神戦今季6戦目で初勝利に導き、防御率1・70はリーグトップに立った。

 東にとって初めて味わう快感だった。無失点で迎えた9回、先頭・植田、糸井に連打され一、二塁。「1、2点は仕方ない」と割り切ったが、4番・福留を遊ゴロ併殺に打ち取ると「完封したい」という欲が出た。この試合で初めて走者を三塁に置いた状況で、ロサリオをチェンジアップで遊ゴロに仕留め、プロ初完封を達成。左手でグラブを2回叩き、浜風を感じながら喜びをかみ締めた。

 「気持ちいいっすね。まさか1年目で(完封)できるとは思っていなかった」

 最速148キロの直球にカーブ、チェンジアップを低めに配し、的を絞らせなかった。8奪三振のうち3球三振が3つ。早めの勝負で118球でまとめた。完封は両リーグ新人一番乗り。試合前時点でリーグ5位だった防御率は1・70でリーグトップに躍り出た。

 愛工大名電のエースとして出場した13年夏の甲子園は、初戦で聖光学院に敗れた。試合後、聖光学院の斎藤智也監督から「凄く良い投球だったよ。これからも頑張って」と声を掛けられた。東は「プロで甲子園で投げるなんて(当時は)全く思っていなかった」と振り返るが、同監督は「精密機械のような制球力だった。上のレベルで野球を続ける選手だと感じた」と言った。

 その試合後に悔しさとともに土を集めた三塁側ベンチ前でヒーローインタビューを受けた。「不思議な感覚だけど、幸せなこと」と笑った。立命大時代も甲子園でのリーグ戦で登板機会がなく、5月3日の甲子園プロ初登板も黒星だった。ようやくつかんだ聖地での初勝利だった。

 20日は母・由紀さんの50歳の誕生日。「良いプレゼントになった」とした後、すぐに「これで終わりじゃない。ひとつの自信として、心の中にしまっておく」と表情を引き締めた。チームに阪神戦6戦目で初勝利を呼んだ1メートル70の小柄な背中には風格すら漂う。 (重光 晋太郎)

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2018年5月17日のニュース