ソフトB和田「開幕前よりも感じが良い」左肘手術乗り越え復帰戦勝利の経験

[ 2017年8月28日 05:43 ]

パ・リーグ   ソフトバンク3―0ロッテ ( 2017年8月27日    ヤフオクドーム )

<ソ・ロ>力投する和田
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 頼もしいエースの帰還だ。ソフトバンク・和田毅投手(36)が27日のロッテ戦で6回2安打無失点に抑え、3勝目を挙げた。左肘手術から復帰し、4月7日の西武戦以来142日ぶりとなる復活勝利。4回には今季限りで現役を引退する元同僚の井口資仁内野手(42)から空振り三振を奪い、史上51人目となる通算1500奪三振を達成した。

 記念すべき三振は大先輩から奪った。4回、和田は井口と2度目の対決を迎えた。カウント1―2と追い込み、投じたのは140キロ。2回に左前打を浴びた直球でバットに空を切らせた。通算1500奪三振。1624回2/3での到達は歴代4位のスピード記録で「まさか井口さんから1500個目を奪うとは夢のよう。一生記憶に残る一球になる」と感慨に浸った。

 井口とはプロ入りした03年から2年間ともにプレーした。自身は左肘手術からの復帰戦となったが、最後の対決に自然と力が入った。「井口さんとの対戦は大きなウエートを占めていた。いい投手になった姿を見せたい気持ちもあった」。6回の最後の対戦では3球全て直球を投じ、中飛に打ち取った。6回をわずか2安打で9奪三振。142日ぶりとなる無傷の3勝目は、術後とは思えない圧巻の内容だった。

 5月22日にプロ入り後、3度目の手術。「(麻酔から)目が覚めても腕に腫れはなかった」という。患部周辺は汗をかけないが、ベッドから起き上がり、下半身だけの投球動作を行った。2日後の24日には入院先の神奈川県内の病院から都内の東芝病院に通い「高気圧酸素治療装置」に毎日2時間こもった。市販される酸素カプセルは1・3気圧、濃度50%程度だが、このカプセルは医療用で2・5気圧、濃度100%。血中酸素は10〜20倍になる。「炎症も引く。最初の段階では大きい」。経験と知識が手術から約3カ月の早期復帰につながり「開幕戦前よりも感じが良い」と手応えを口にした。

 2年ぶりの王座奪還へ頼もしいエースが帰ってきた。「日本一になるまで投げ続けないと戻ってきた意味がない」。そう言って、表情を引き締めた36歳の左腕が優勝へのラストスパートを引っ張る。

 ≪歴代4位スピード到達≫和田(ソ)が27日のロッテ21回戦(ヤフオクドーム)の4回、井口から三振を奪い、通算1500奪三振を達成した。プロ野球51人目。初奪三振は03年4月1日近鉄2回戦(大阪ドーム)でローズから。通算1624回2/3での到達は石井一(ヤ)1413回、江夏(神)1423回、杉内(ソ)1423回1/3に次ぎ、歴代4位のスピード記録。

 ≪最短30日マジック点灯≫首位ソフトバンクが勝ち、2位楽天が敗れたためゲーム差は今季最大の9・5ゲームに開いた。今季のソフトバンクはヤフオクドームで41勝15敗(勝率・732)。同球場でのシーズン最多勝利は11年にマークした46勝となっており本拠地での残り11試合で記録更新を狙う。なお、ソフトバンクの最短マジック点灯日は30日。ソフトバンクが29、30日の日本ハム戦に連勝し、楽天が西武に連敗でM17が点灯する。

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