“若虎”ルーキー糸原 G戦初安打2打点 上本代役必死に

[ 2017年5月11日 05:42 ]

セ・リーグ   阪神7―9巨人 ( 2017年5月10日    東京ドーム )

<巨・神>2回1死三塁、糸原は左前適時打を放つ
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 後半の追い上げが強く印象に残る一戦となったが、序盤に放ったルーキー、阪神・糸原の一打も価値は高いはず。阿部の2ランで先制された直後の2回。鳥谷の犠飛で1点差とし、なおも1死三塁の好機で、迷わず振り抜いた。

 「ゾーンを上げていこうと思っていた。2点取られた後だったので、すぐに追いつきたいという気持ちでした。しっかり打ててよかった」

 相手先発の大竹寛とは初対戦。力みそうな場面だったが、即戦力新人は落ち着いていた。カウント1―1から内角高めに浮いたスライダーを引きつけて叩いた打球は左前で弾んだ。試合を一時、振り出しに戻す適時打は、自身の巨人戦6打席目での初安打。劣勢でも、何かを起こす。チームに浸透しつつある「逆転ムード」を呼び覚ました。

 転がり込んだチャンスを逃すわけにはいかない。5日広島戦で、開幕から全試合で二塁で先発出場していた上本が右足首を負傷。その試合、遊撃で先発していた糸原はすぐに二塁に就き、その後はこの日も含め4試合続けて二塁で先発出場を果たしている。自身の安打自体が、あの6日広島戦の7回に放った同点の右前打以来、3試合ぶり。試合前まで打率は・135で「とにかく結果を出さないと」と危機感を口にし、常に背水の覚悟で打席に立っている必死さが、この日は生きた。

 4回の中飛もバットの芯で捉えたもので「今日は1、2打席目が良い感じだった。結果につながれば一番良かったのですが」と手応えは悪くない。6回には反撃ののろしとなる押し出しの四球を選ぶなど「代役」として機能している。

 2点差に迫った9回は2死一塁からカミネロの前に空振り三振に倒れて最後の打者となった。「ああいう投手を打っていかないといけない」と反省も忘れなかった。上本の回復次第で今後の起用法が変わってくるが、必要戦力であることを、もう誰も疑わない。新人で唯一、1軍で戦う糸原の存在感は確実に増している。(巻木 周平)

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