則本12K完封!ダル以来4戦連続2桁奪三振「球数少なかったのが一番」

[ 2017年5月11日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天5―0ロッテ ( 2017年5月10日    Koboパーク宮城 )

今季初完封の則本は最後の打者を打ち取ると天にこぶしを突き上げて吠える
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 進化を示す奪三振ショーだ。楽天は10日、ロッテを5―0で下して首位を守った。エースの則本昂大投手(26)が自らの球団記録を伸ばす4試合連続の2桁となる12奪三振で5安打完封勝利。4球以内の三振が9個で、完封試合では自己最少球数の100球に抑える4勝目となった。4戦連続2桁奪三振はパ・リーグでは11年のダルビッシュ(当時日本ハム)以来の快挙だ。

 右拳を突き上げた。12三振を奪い、かつジャスト100球の完封勝利。則本は周囲の期待した4戦連続2桁奪三振に、2年ぶりの完封も加えて誇らしげだ。

 「三振を取ったよりも、球数が少なかったのが一番。早いカウントで勝負をつけようと思った結果がこうなった」

 2回に156キロを計測するなど、初回から直球の出力は全開。2回までに5三振で幕が開けた。9奪三振で迎えた6回2死一塁、4番の鈴木を3―2から142キロの高速スプリットで空振り三振を奪い、自らの球団記録更新と、パでは11年のダルビッシュ以来となる4戦連続2桁奪三振を決めた。「初回から真っすぐでガンガン押せた。それがあるから変化球も良かった」。最終回の7球の直球がオール150キロ超えと圧巻だった。

 昨年まで3年連続奪三振王。一方で球数がかさむタイプだったが、進化が見えた。連続記録の起点となった4月19日の西武戦は、3球三振が1度だったが、それ以降は3→5→5と増加。「2ストライクを取った次の球で勝負を決められた。そうなれば必然的に長いイニングを投げられる」と言った。要因の一つは140キロ台の高速スプリットだ。6回の鈴木の空振り三振の決め球も含めて、捕手の足立が「6、7球投げた」という新球。則本は「フォークボールはボールゾーンで勝負するからボールが増える。スプリットはストライクゾーンで勝負できる」と手応えを口にした。

 「キャッチボールから指のかかりが違った」直球は、普段から相手役の松井裕が「今日はやばいです」と言ったほど。試合後「凄すぎ!」とクラブハウスに向かいながら声を張り上げた後輩左腕ら、救援陣に休養を与えたのもエースの仕事だ。両リーグトップの56三振に梨田監督も「教科書通り、お手本。改めて則本というピッチャーの素晴らしさを感じた」と最敬礼だった。

 巨人・菅野から「そろそろ完封ね」と要求された前回登板、3日のオリックス戦は完封目前の9回に2ランを浴び完投も逃した。「ムリでしたー」が返信だったが、今度こそ胸を張って報告できる。今季、連敗がわずか1度のチームは首位を快走。「次も一生懸命投げます」。エースが、さらなる記録更新の権利を手にした。 (春川 英樹)

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