U―18 間違いではなかった「西谷ジャパン」のメンバー選出基準

[ 2015年9月7日 12:51 ]

米国打線を完封した佐藤

 6日夜に行われたU―18ワールドカップ決勝。日本は米国に1―2で惜敗し、初優勝は逃した。それでも、世界の頂点に立つために「西谷ジャパン」が立てた戦略は決して間違っていなかった。

 日本代表の西谷浩一監督(大阪桐蔭)、仲井宗基コーチ(八戸学院光星)、島田達二コーチ(高知)は、前回13年大会と同じ顔ぶれだった。前回も決勝で米国に敗れたが、当時の20人の選手選考は、今年のメンバー選出に役立てた。

 基準は明確だった。投手はウイニングショットの有無。より具体的にいえばピンチで三振を取れる球を持っているかどうか。今回でいえば、1次ラウンドで米国を完封した仙台育英・佐藤のフォークは、どこが相手でも通用した。見た目よりもホームベース付近で伸びる直球を投げる中京大中京・上野は3試合18イニング無失点だった。

 2年前は松井(現楽天)、山岡(現東京ガス)がキレのいいスライダーを武器に三振を積み重ねた。7投手のうち、4投手がイニング数よりも三振数が上回った。今年は登板した7投手全員が、イニング数よりも三振が多かった。失点は前回の16から5に減った。「守りからリズムをつくる」という野球が、スーパーラウンドまで8戦全勝の結果につながった。

 野手は複数ポジションが守れること。足が使えること。状況判断ができること。今大会は8選手が計17盗塁を決めた(トップはオコエと船曳の4盗塁)。前回は6選手で13盗塁だったから、走れる選手が2人増えたことになる。足が使えればどの打順からでもチャンスを広げることができる。総得点は前回の68から81に増えた。

 決勝では投手・佐藤の失策が失点に絡んだが、今大会の野手の失策はわずか1個だった。今年は慣れ親しんだ日本のグランドだったこともあるが、前回は11失策だったことを考えれば、守れる選手の集団とも言えた。本職が遊撃手の東海大相模・杉崎は左翼を無難に守った。次回大会は2年後。選手選考の際には、「西谷ジャパン」が残した土台は生かされることだろう。

続きを表示

2015年9月7日のニュース