安楽“ゆづ魂”入寮…ゆかりお守り持参、亡き恩師の教えも胸に

[ 2015年1月11日 05:30 ]

故・上甲監督の色紙を大事に包んで手にする安楽

 世界の羽生に続く。楽天のドラフト1位・安楽(済美)が仙台市内の「泉犬鷲寮」に入寮。「不安はあるが、野球に打ち込むには素晴らしい環境」と口にした右腕が、大切に持参したのが父・晃一さん(53)から贈られた「弓弦羽(ゆづるは)神社」(神戸市)のお守り。

 ソチ五輪フィギュアスケート男子シングルの金メダリスト・羽生結弦と名前の読み方が似ていること、さらに羽生本人も参拝したことから、参拝者が20倍増になるなど開運の聖地としてブレーク。羽生が東日本大震災後の2011年11月に参拝したときには「世界のトップになれますように…そして、東北の光となれるように!」と書いた絵馬を奉納した。

 そして昨年のソチ五輪で金メダルを獲得。羽生は楽天の本拠地と同じ宮城県仙台市出身。これから仙台を拠点にする安楽にとって御利益のあるお守りだ。大阪に単身赴任中の晃一さんから愛媛の実家に8日に届き「家族のために頑張って、自慢できる息子になりたい」と決意を新たにした。

 恩師の「遺言」も忘れない。安楽は昨年9月に胆管がんで死去した済美の上甲正典前監督(享年67)が生前にしたためた色紙を持参。昨夏の愛媛大会後にもらったもので、故人の手形とともに「奇跡は小さな努力の積み重ねにすぎない」と書かれている。「学生野球でもプロでもやることは同じ。コツコツと小さいことの積み重ねが優勝やタイトルにつながると思う」と、教えを胸に活躍を誓った。 

 ▽弓弦羽神社 兵庫県神戸市東灘区に位置し、849年に社殿を造営。社伝によると、神功皇后が朝鮮半島での戦いの帰路、忍熊王(おしくまのみこ)の反乱を知り、この地に熊野大神をまつると戦に大勝。その際、弓矢や甲冑(かっちゅう)を納めたことから、背後にそびえる六甲山を弓弦羽岳と呼ぶようになったと伝えられている。日本酒の産地、灘五郷の中心にあることから、造り酒屋の氏子が多い。

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