90試合登板はプロ野球記録…阪神・久保田「頼られる打撃投手に」

[ 2014年12月24日 08:20 ]

福原を空振り三振に仕留める久保田(右)

 引退後も登板機会は用意されていた。11月22日に甲子園で開催された阪神ファン感謝デー。久保田は紅白戦の最後に登場し、苦楽をともにしてきた先輩の福原を自慢の速球で空振り三振に仕留めた。

 「もちろん、まだ投げたいという後悔もある。今でもケガさえなければ…と思ってしまう。ただ、タイガース一筋でやれた。感謝ですよ。振り返ってみれば、幸せな野球人生だった」

 決して将来を嘱望されていたわけではない。ドラフトで指名された順位は5巡目。それでも反骨心と地道な努力で一流投手へとのし上がった。05年には守護神としてリーグ優勝に貢献し、胴上げ投手にもなった。07年には90試合に登板。今でもシーズン最多登板のプロ野球記録である。歴代2位は元同僚・藤川(現レンジャーズ)の80試合。久保田の鉄腕ぶりがいかに凄いかがよく分かる。

 最後は右肩の故障で現役引退を決意。しかし、第二の人生も投げることを仕事に選んだ。「頼られる打撃投手になりたい。打撃投手としての仕事だけではなく、経験なども伝えたい」。伝説の鉄腕は最強の打撃投手となって、05年以来のリーグ優勝に向けて尽力する。

 ◇久保田 智之投手(くぼた・ともゆき)33歳、12年目。滑川甲―常磐大。02年ドラフト5巡目。最高年俸1億2000万円(08年)

 ▼通算 444試合、41勝34敗47セーブ、防御率3.16。

 ▼思い出 05年のリーグ優勝の際に胴上げ投手になれたこと。

 ▼再出発 阪神打撃投手。

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