上原「一緒にやりたかった」 レンジャーズ決定的“戦友”球児にエール

[ 2014年12月14日 05:30 ]

熱心に投球指導をする上原

 レッドソックスの上原浩治投手(39)が13日、カブスからFAとなり、レンジャーズ入りが決定的となっている藤川球児投手(34)にエールを送った。2人は08年の北京五輪で「球児・浩治」の救援コンビを結成した間柄で、メジャーでは初めて同じリーグでプレーすることになる。都内で野球教室に参加した上原は「戦友」の去就が決まりつつあることを喜ぶとともに、来季への決意を新たにした。

 かつての「相方」の吉報に、上原は顔をほころばせた。スポニチ本紙既報通り、大リーグ公式サイトは12日(日本時間13日)付で、藤川がレンジャーズと単年のメジャー契約(2年目は球団側に選択権)で合意間近と報道。上原自身が在籍したチームでもあり「(同じチームで)一緒にやりたかった気持ちもあったけど、メジャー契約ということなのでよかった」と話した。

 08年北京五輪。藤川がセットアッパー、上原がクローザーとして、ともに日の丸を背負った。今やメジャーを代表する抑えとなった上原だが、日米通算セーブ数は自身の94(日33、米61)に対し、藤川は222(日220、米2)。かねて「年下やけど尊敬している」と評し、この日も「クローザーの実績は向こうが上。アドバイスはない」と敬意を表した。

 来季は同じア・リーグ。レッドソックスとレンジャーズの対戦も7試合組まれている。「投手同士なので(直接)対戦するわけではないけど、会えるのは楽しみ」。藤川が右肘手術を受けたこともあり、これまで実現しなかったシーズン中の再会に思いをはせ「一生懸命、一年間お互いできたらいい。日本人が活躍すればするほど刺激は受けます」とエールを送った。

 昨季の世界一から一転、今季は地区最下位に沈んだレッドソックス。野手ではサンドバルとラミレスを合計1億8800万ドル(約223億7200万円)かけて獲得し、投手ではポーセロ、マスターソン、マイリーと3人の先発を加えた。上原は40歳となる来季から2年契約を結び、不動の守護神として期待される。「凄い補強。その波に乗り遅れることなくクローザーの座をしっかり確保したい」。完全復活を期す藤川に負けじとばかり、責任感をにじませた。

 ≪球児&浩治メモ≫

 ☆支援活動 ともに骨髄バンクのドナー登録を済ませており、上原は07年12月14日に東海大学医学部付属病院を訪問した際に「関西には藤川がいる。協力したい」。同じく支援活動を行っている藤川と、ドナー登録の呼びかけなどでタッグを結成。

 ☆北京五輪 ともに日本代表として出場。08年8月14日の台湾戦では、1点リードの8回に藤川が3者連続三振。9回を上原が抑えた。同18日のカナダ戦も1―0と緊迫した8、9回を2人のリレーで締めて勝利した。

 ☆エール 12年12月1日、藤川がカブスとの契約に合意。同じリリーフ投手で、気心の知れた上原は「ポジションが似たようなところにいるので、“何しに来んねん”という話ですけど。でも一人でも多い方が、会話を含めてリラックスできる部分が出てくる」と冗談交じりに歓迎した。

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