鳥の穴埋める!大和 遊撃で50盗塁&ゴールデングラブ賞狙う

[ 2014年12月12日 05:30 ]

1700万円増でサインの大和

 阪神・大和外野手(27)が11日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1700万円増の6500万円でサインした。鳥谷の海外フリーエージェント(FA)権行使によるメジャー挑戦の可能性が高まり、中堅手から遊撃手へのコンバートが決定的。97年の松井稼頭央(当時西武、現楽天)以来となる「遊撃でのゴールデングラブ賞&シーズン50盗塁以上での盗塁王」を最大目標にし、節目のプロ10年目を戦っていく決意を示した。(金額は推定)

 無数のフラッシュを浴びながら会見場に入った大和は、表情を一切変えることなく丁寧に言葉を並べた。達成感よりも勝る、責任感。「3番・遊撃」のキャプテンが抜けるかも知れない現状において“後継者”にのしかかる重圧は計り知れない。だからこそ、あえて高い目標を口にした。

 「(遊撃でのゴールデングラブ賞は)任されたところでやるだけですし、やるからには一番になれるように。(盗塁王も)数字的には40~50個近く走れれば、十分(タイトル争いで)勝負できると思う」

 ゴールデングラブ賞が創設された72年以降、この2つを両立させたのはたった一人だけだ。97年の松井稼頭央。走攻守に奮闘し、西武をパ・リーグ王者に導いている。

 壁が高いからこそ、挑む価値がある。しかも当時1番打者だった松井とは違い、大和は2番に座ることが濃厚。犠打やエンドラン、右打ちなど犠牲心が求められる制約の多い位置。その中でのクリアとなれば、チームへの貢献度は増すはず。

 「球団からも“去年と比べて盗塁が減った(19→11)のはどういうことだったのか”と聞かれた。もっと増やしてほしいと言われたし、個人的にも引っかかっている。自分の実力がなかった」

 今年1月。西岡と合同自主トレを行い、タイトルホルダーの走塁技術や心得など、多くのことを学んだ。「40盗塁」を掲げ、意気揚々とシーズンに突入したが、一向に数は増えなかった。クリーンアップが好調だっただけに、中軸のリズムを崩したくない思いが生まれ、どこかで自分自身にストップをかけてしまっていた。「走れる足はあったのに、自分の中でセーブしてしまっていた」。メンタル面が影響し、照準にはまったく届かなかった。だから、思考を根本から変える。「スタートを切らないとアウトもセーフもない」―。失敗を恐れぬ闘争心を秘め、積極的に次の塁を狙う。

 「守備の面で評価してもらった。(中堅、遊撃の)どちらになっても頑張ってくれと言われた。ケガせず143試合出られるようにしたい」

 2番での固定を目指し、今季セ・リーグ最多の50個を記録した犠打に関しても「1個でも失敗を少なくする」と誓いを立てた。堅実に守り、果敢に走り、着実に送る。来季10年目を迎える大和が「最強2番」へ向かって再発進する。

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2014年12月12日のニュース