大和、鳥谷移籍なら遊撃も…球団初の内・外野でのGグラブ賞視野

[ 2014年12月4日 08:35 ]

2014三井ゴールデン・グラブ賞授賞式でトロフィーを渡される阪神・大和

 守備のベストナインに贈られる「第43回三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が3日、都内のホテルで行われ、阪神・大和外野手(27)が初受賞した。海外フリーエージェント(FA)宣言し、メジャー移籍を目指す鳥谷敬内野手(33)の動向しだいで来季は遊撃を守る可能性があり、阪神初の内・外野での受賞も視野に入れる。記者投票で選ばれたセ・パ18選手にトロフィーと副賞賞金50万円が贈呈された。

 一流の守備の名手たちと肩を並べ、胸を張った。大和が9年目で初めて受賞。阪神の外野手では08年の赤星憲広氏(現スポニチ本紙評論家)以来、6年ぶりだ。

 「プロに入ってから一番欲しかった賞なのでとても光栄です。赤星選手以来ということも知っていたので、絶対に獲りたいと思っていました」

 有言実行だった。昨年オフの契約更改の席で「来年はゴールデン・グラブ賞を獲りたい」とハッキリと口にしている。公約を守り、この日は「ボクにはズバ抜けた肩があるわけじゃない。取ること(捕球)に関しては周りの外野には負けたくないと思っている」と自信ものぞかせた。

 今季は111試合に出場してわずか1失策で、守備率・9956はセ・リーグ第3位。CSや日本シリーズでもスーパープレーを連発して阪神の快進撃を外野守備でけん引してきた。しかし来季はプロ入団時の遊撃手に再転向する可能性がある。不動のレギュラーだった鳥谷が海外FA権を行使してメジャー移籍を目指しているためだ。

 日本一の外野手をコンバートするわけだが、それだけ内野手としての能力も突出しているということ。11月の秋季安芸キャンプでは首脳陣の指示で3年ぶりに遊撃の守備練習に取り組んだ。さっそく高代作戦兼内野守備走塁コーチから「うまいよね。ブランクはあるけど素材は一級品」と高評価を与えられれば、掛布DCからも「ゴールデングラブ賞を狙え。センターとショート両方で獲った人はいないんじゃない。すごいことだけどそれくらいの力はある」と太鼓判を押された。

 もし遊撃でも同賞を獲れば、阪神では初の内・外野での受賞。12球団でも過去に高田繁(巨人)、西村徳文(ロッテ)、稲葉篤紀(日本ハム)の3人しかいない。同じ壇上には、遊撃手として同賞を獲った鳥谷がいて、来季ポジションには「自分は任されたところでやるしかないので」と話すしかない状況だが、ただ、「(毎年)やるからには一番を目指して頑張るだけです。来年もこの場に呼んでもらえるように頑張りたい」と連続受賞には意欲を示した。阪神では新庄剛志氏の持つ5年連続が最長記録。大和の守備には、まだまだ多くの可能性が秘められている。

 ▽大和のポストシーズンの好守 10月16日、巨人とのファイナルS第2戦8回、代打・亀井の右中間への大飛球を、お尻からフェンスに激突しながらジャンピングキャッチ。第3戦9回は、2死から亀井の左中間飛球をダイビングキャッチで試合を締めた。ソフトバンクとの日本シリーズでは28日の第3戦4回、内川のライナー性の打球に飛び込み、地上すれすれのところで好捕。30日の第5戦でも好守を連発。最後まで虎党を沸かせた。

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