阪神ドラ1横山 レジェンド左腕に学ぶ、来春キャンプ弟子入り志願へ

[ 2014年11月27日 08:55 ]

仮契約を終え、クリスマスツリーをバックにポーズをとる横山

 阪神からドラフト1位指名された横山雄哉投手(20=新日鉄住金鹿島)が26日、茨城県神栖市内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約した。背番号は未定。即戦力として期待される左腕は、来春の沖縄・宜野座キャンプでの臨時コーチが決まっている球団OB江夏豊氏(66)への弟子入りを熱望。71年の球宴で9者連続奪三振をマークしたレジェンドからプロ道を学ぶ。

 この左腕で厳しいプロの世界を生き抜いていく-。仮契約を終えた横山の表情からは、確固たる決意がにじんだ。

 「タイガースの一員になれるということでホッとしている。プロになるので責任感も出て来ている。日本を代表するピッチャーになりたい」

 その言葉を実現させるべく、横山には「伝説」との対面が待っているかもしれない。来春の沖縄・宜野座キャンプで江夏豊氏が臨時コーチとして招へいされることが決定的となっている。首脳陣は来年1月の新人合同自主トレで肩、肘など体調面に問題がなければ、横山を宜野座キャンプスタートさせる考えで、猛虎のエースとして数々の修羅場をくぐり抜けてきたレジェンドに指導を受けるチャンスは十分にある。

 「日本球界を代表する左ピッチャーなので、自分からいろいろ聞いて指導していただきたい」

 何よりも惹きつけられるのは“Kの魅力”だ。プロ2年目にシーズン401奪三振を記録するなど、通算2987奪三振。71年の球宴でマークした球宴記録の9者連続奪三振は今でも「伝説」としてプロ野球史に刻まれている。

 ポテンシャルは確かだ。横山も日の丸を背負って臨んだ21Uワールドカップ(台湾)の初戦、7日オーストラリア戦の6回から中継ぎ登板し、3イニングで5者連続を含む8奪三振をマーク。社会人屈指の“ドクターK”ぶりをアピールした。

 江夏氏の持つ大記録への挑戦には「そこは意識していない」と首を横に振ったが「ピッチャーをやっている以上、三振を取れるに越したことはない。三振は魅力あるプレーなんで、そういう(三振を取るコツ)話も聞いてみたい」と目を輝かせた。

 武器は、しなやかなフォームから繰り出される最速151キロの直球。「ずっとピッチャーをやってきて、プロでどれだけ通用するか分からないですけど、持ち味はストレートで押すピッチングなんで、貫いてやっていきたい」とプロの打者にも真っ向勝負を挑み三振を奪うつもりだ。

 「新人ですけど、1軍の開幕ローテーションに入って、結果、新人王が獲れれば。即戦力として評価していただいてるので、1年目から活躍しないといけない。先発やる以上は2桁(勝利)を狙っていきたい」

 球団創設80周年のメモリアルイヤーにプロ生活をスタートさせる横山が「伝説」を作る。

 ▽阪神時代の江夏豊氏 大阪学院高から66年1次ドラフト1位で入団。入団1年目の67年に最多奪三振(225個)のタイトルを獲得。68年には8月8日中日戦で1試合16奪三振のセ・リーグタイ記録。25勝で最多勝に輝き、現在もプロ野球記録のシーズン401奪三振をマークした。最多奪三振のタイトルは入団1年目から6年連続で獲得している。また、71年の球宴第1戦(西宮)では3イニングを投げ、9者連続奪三振の快記録を達成した。

 ◆横山 雄哉(よこやま・ゆうや)1994年(平6)2月21日生まれ、山形県出身の20歳。長崎小2年で野球を始めて以来投手。山形中央では1年春からベンチ入りし、2年時に春夏連続で甲子園出場。社会人の新日鉄住金鹿島では入社1年目から公式戦に登板。今秋は侍ジャパン21U代表に選出され、21Uワールドカップ(台湾)準優勝に貢献。1メートル83、85キロ。左投げ左打ち。

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