和田 5回無失点で初完封“幸運”マー超え日本人最速7戦目

[ 2014年8月21日 05:30 ]

<カブス・ジャイアンツ>5回無失点の好投を見せた和田AP)

ナ・リーグ カブス2―0ジャイアンツ

(8月19日 シカゴ)
 カブスの和田毅投手(33)が19日(日本時間20日)、4時間34分もの中断後に5回コールドでメジャー初完封勝利を挙げた。先発して5回を6安打無失点に抑えた後ゲリラ豪雨が球場を襲い、グラウンドコンディションが回復しなかった。メジャーデビューから7試合目での完封は今年5月のヤンキース・田中将大投手(25)の8試合目を上回り、日本人投手最速での達成となった。

 5回2死二塁、勝利投手の権利を得るまであと1アウトだった和田がポージーと対していた時だった。それまでの霧雨が突然雨脚を強めた。スライダーで遊飛に打ち取り、ベンチに引き揚げる間に猛烈なゲリラ豪雨となってリグリー・フィールドに襲いかかった。

 その裏、ジ軍選手は一度は守備に就いたが、たちまち球審は中断を宣告した。豪雨は14分で収まったものの、グラウンドクルーの手際が悪く、内野グラウンドを覆うシートをかけ損なった。端まで伸びず、かけ直そうにもたまった雨水が重くて動かない。グラウンド全体が池のように水浸しになった。

 土を運び、水をすくいだすなど復旧作業は続いた。だが、中断から4時間34分後、日付も替わった午前1時14分に球審がグラウンド不良を理由にコールドゲームを宣告した。5回を投げ終えた和田にメジャー3勝目、そして初完封が転がり込んだ。

 「可能な限り待った。相手は優勝争い中だし、我々には試合を最後まで行う義務があった。残念だ」。カ軍のジェド・ホイヤーGMは申し訳なさそうに声を絞り出した。たまらないのは敗れたジ軍だ。地区首位ドジャースとのゲーム差は4・5となり、ブルース・ボウチー監督は「この試合の重要さが分かれば、こんなことになりはしない」と不満顔。球団は大リーグ機構に抗議することを示唆した。

 中断されるまで、和田は毎回走者を許しながらも持ち味の粘りを発揮した。「自分は後がない立場」と危機感を持ち、来季残留へ何よりも結果が求められることは承知している。試合開始から6時間を超えたため球団が選手の疲労を考慮し、記者会見は開かれず。本拠地開催試合での不手際からのコールドで後味の悪さも残ったが、結果的には幸運な、そして大きな1勝を手にした。

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