能見 “幻ノーヒッター”金子と対決に闘志「意識する」

[ 2014年6月6日 05:30 ]

ノックを受ける能見(手前)と榎田

交流戦 阪神―オリックス

(6月6日 甲子園)
 自然体は変わらない。6日のオリックス戦に先発する阪神・能見が5日、甲子園球場で行われた投手指名練習に参加。パ・リーグ屈指の好投手・金子との投げ合いへ、静かに闘志を燃やした。

 「対戦するのはピッチャーじゃないけどね。自分にプラスになるなら、そういう(金子と投げ合う)意識もすると思う」

 多くを語らずも言葉には貫禄がにじんでいた。昨年、京セラドームで行われた6月1日の一戦で相まみえ、9回2失点の右腕に対し、1安打完封勝利と完璧な形で投げ勝った。当時を振り返り「負けて当然と思っていた。いい意味で開き直って投げた」と口にし「去年は去年。(今回も)ある程度開き直らないと」と、甲子園へ舞台を変えての再戦も、いつものように腕を振り切るだけだ。

 もちろん、一筋縄でいかないことは分かっている。金子は前回5月31日の巨人戦(京セラドーム)で打線の援護なく勝ち星こそ付かなかったものの、9回を無安打無失点。代打を送られて降板し“幻のノーヒットノーラン”に終わったが、今季ここまで防御率1・25、リーグトップの102三振を奪っている。打線の援護が簡単ではないことは分かっている。序盤の失点を防ぐことが重要かと問われ「いつもそう思ってやっている」と我慢強くスコアボードにゼロを並べていくつもりだ。

 5月16日のDeNA戦から11→13→10と3試合連続2桁奪三振を記録しており、4試合連続となれば、球団では71年の江夏以来で、過去3人しか成し遂げていないセ・リーグ記録に並ぶ。

 「そこ(記録)はどうこうないけど」と無関心を強調した左腕。選手個々が決め球を絞り「スイングに迷いがない」と評するパ・リーグの打者に対しては、足の上げ方などを変えてタイミングを外す“変幻投法”が効果的となっているだけに、量産態勢に陰りは見えない。

 「チームが勝てたら一番。その中でゲームを作っていきたい」。エース対決に投げ勝ち、歴史に名を刻んでみせる。

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2014年6月6日のニュース