摂津、復活4勝!バスターでのプロ初安打で大量点演出

[ 2014年6月5日 05:30 ]

<ソ・巨>4勝目を挙げた摂津(中央)はナインとハイタッチ。左は千賀、右は森福

交流戦 ソフトバンク13-5巨人

(6月4日 ヤフオクD)
 これもエースの仕事だ!ソフトバンク・摂津正投手(32)は復帰戦となった4日の巨人戦で5回5安打4失点と苦しみながらも4回にプロ初安打となるバスターを決め、大量点を演出。33日ぶりの今季4勝目を挙げた。チームは2連勝で交流戦首位の中日、リーグトップのオリックスにともに0・5ゲーム差と急接近した。

 勝利をたぐり寄せたのは小高いマウンド上ではない。平面の長方形の打席だった。1点リードの4回無死一塁、その場の誰もが目を疑った。バントの構えだった摂津は突然、右手を左手に寄せると外角の直球を叩きつけるように打った。

 「(三塁手・村田が)前に出てきたので、自分の判断でやりました」

 打席の前のアンツーカーで跳ねた打球は突っ込んできた三塁・村田の頭上を越える遊ゴロ内野安打。プロ21打席目の初安打で無死一、二塁と好機を広げ、流れを決定付ける3点へと導いた。

 右肩筋疲労での出場選手登録抹消を乗り越え、5月2日の楽天戦(コボスタ宮城)以来33日ぶりの今季4勝目。ただ、5月9日の西武戦(北九州)以来26日ぶりの復帰戦は楽なものではなかった。初回2死三塁のピンチはセペダを二ゴロで切り抜けた。スロースターターを自任する右腕は尻上がりになる予定だった。

 ところが、2回1死満塁では代打・横川に逆転となる走者一掃の右中間適時二塁打を浴びる。3回も1死三塁から高橋由に左翼フェンス直撃の適時二塁打など、5回5安打4失点。「追い込んでから甘くなった」と試合後は反省の弁が先に出たが「100球投げて(切れが)落ちることはなかった」と手応えも口にした。

 ここに合わせたこと自体、エースの意地だ。5月13日にリハビリ組に合流すると1週間後の20日にはブルペン投球。首脳陣は先発5人で回せる交流戦中は休養させる方針だったが、22日の2度目のブルペン投球では制限された50球を大幅に超える80球を投げ込み「(2軍での)調整登板は必要ない」とぶっつけ1軍復帰を直訴。さすがに首脳陣に却下されたものの、わずか1試合の調整で1軍の舞台へ戻って来た。

 「バスターは摂津のセンスだよ。直球の走りは良かったね」と秋山監督も驚き、称えた初安打と復帰白星。交流戦首位の中日、リーグ首位のオリックスへともに0・5差に接近した。09、10年と中継ぎ2年間で141試合、11年の先発転向後もほぼローテーションを守り、勤続疲労をささやかれた摂津が、その声を吹き飛ばした108球。エースのバスターでつかんだ勝利が反撃ののろしとなる。

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2014年6月5日のニュース