上本、1軍復帰即スタメン!阪神、大敗の中に唯一の光明

[ 2014年5月21日 09:07 ]

<オ・神>3回無死一塁、上本は右翼へ適時三塁打を放つ

交流戦 阪神2―12オリックス

(5月20日 京セラD)
 交流戦開幕戦に頼れるリードオフマンが帰ってきた! 右親指末節骨骨折のため戦線離脱していた阪神・上本博紀内野手(27)が、20日のオリックス戦(京セラドーム)で1軍復帰即スタメン出場。「1番・二塁」でフル出場し、3回には右中間への適時三塁打を放った。2―12という大敗の中、唯一と言える明るい材料。ようやく固定できる「1番」を足がかりに、巻き返しを図りたい。

 3年連続となる交流戦黒星発進を振り返っているひまはない。序盤で投手が崩れ、防戦一方の展開。試合の9割方、テンションが低かった虎党も、上本が1番に入ったという事実にだけは救われた。0―6の3回無死一塁。今後の戦いに希望をともす一打をかっ飛ばした。

 上本 今までと変わりなく、特別なものはない。ケガする前も1試合1試合と思ってやっていた。(適時打は)甘い球が来たので、逃さずいけました。

 1ボール2ストライクからの5球目、西が投じた真ん中直球を無心で振り抜いた。ライナー性の打球は瞬く間に右中間を破る適時三塁打。鳥谷の中犠飛では2点目のホームを踏み、1番打者としての役割を果たした。敗れたため、試合後は厳しい表情のまま。たった1本の安打で、感慨にふける男でもない。それがまた、頼もしくもある。

 突然のアクシデントも、驚異の回復力で乗り越えた。3日のヤクルト戦(神宮)。4回、雄平のライナーを処理しようとした際、グラブに添えていた右手にボールが直撃した。5回の守りからベンチへ下がり、都内の病院へ直行。精密検査の結果、「右親指末節骨骨折」と診断され戦列を離れた。それから2週間強での戦線復帰。登録即スタメンに抜てきした和田監督も、期待を隠そうとはしなかった。

 和田監督 上本が戻ってきたことで打線は良い意味で落ち着く。打つ方に関しては手応えがある。

 不動の1番打者を欠いたことで、チームは苦戦を強いられてきた。不在の間は大和、俊介、荒木、柴田、緒方の計5人が起用されるなど、オーダーをなかなか固定できなかった。この間、1試合平均2・5点と得点力は減少。それが、この日も含め、上本が1番に入った29試合は5・6点まで跳ね上がる。

 和田監督 ここ20試合、初回に点が入っていない。1、2番が元気になって、とにかくクリーンアップの前に走者をためたい。

 指揮官が指摘したように、4月25日のDeNA戦を最後に20試合連続で初回無得点が続く。そんな嫌な流れを変えられるのは、やはり上本しかいない。

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