ヤクルト 9連敗でストップ 3年目木谷が投壊救った

[ 2014年4月27日 05:30 ]

<ヤ・中>連敗を9で止めた木谷はファンと笑顔でタッチ。「ようヤク勝てたね」のボードが

セ・リーグ ヤクルト8-4中日

(4月26日 神宮)
 止まった。ようやくトンネルを抜けた。神宮の杜に響く東京音頭。ファンの大合唱へ手を振ったのが、ヤクルトのプロ3年目・木谷だった。

 「勝ち負けにこだわらず、できることを一つ一つと思った。コントロールを意識して低めに、大胆に行けた」。切れのいい直球が外角ぎりぎりに決まる。スライダー、フォークは低めに。初回をテンポよく3者凡退。これで打線を乗せた。その裏に一挙5点。ゲームをつくると、打線が効果的に点を取った。5回1死までパーフェクト。「7回までなら“あれっ”て思ったけど。たまたまですよ」。中日・和田に初安打となる2ランを許しても7回まで3失点。先発の役割を果たした。

 重圧がないと言えばうそになる。チームは16日の巨人戦(神宮)から9連敗。その間、正直「誰か勝ってくれないかな」と思った。でも、マウンドに上がれば違う。「この1試合が僕の仕事だ」と集中。好調時とフォームが微妙にずれても、微調整しながら97球でゲームをしっかりつくった。

 まさに今季からの登場曲「GAME MAKER」そのものの投球。日本文理大時代からの友人でラッパーの「G ROD」に作ってもらったオリジナル曲が連敗ストップの原動力だった。連敗中は自然と雰囲気が悪くなったが、常に冗談を飛ばすムードメーカーは変わらない。カラオケに行けばダンスまで踊る勢いで明るく振る舞い、そして登場曲に乗って「ゲームメーカー」となった。

 「木谷に尽きる。今まで序盤の4、5点を守ろうとしてもできなかったからね」。小川監督は絶賛した。エース小川が負傷離脱する中、先発が勝つのは木谷自身が今季初勝利を挙げた13日のDeNA戦(横浜)以来。あらゆる意味で価値ある木谷の2勝目だった。

 ▼ヤクルト・高津投手コーチ 木谷は外のストレートがよかった。投手不利のカウントにならなかったし、安心して見ていられた。

 ◆木谷 良平(きや・りょうへい)1989年(平元)4月7日、福岡県生まれの25歳。小倉ではエース兼4番を務めたが甲子園出場なし。(11年ドラ2/)日本文理大では2年時に大学選手権8強。11年ドラフト2位でヤクルト入団。昨季7月12日広島戦(神宮)で救援登板しプロ初勝利を挙げた。1メートル81、85キロ。右投げ右打ち。

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