新・神様や!代打・関本でサヨナラ!巨人3連破で2位浮上

[ 2014年4月14日 05:30 ]

<神・巨>延長10回、サヨナラ打を放ち、鳥谷(1)と大喜びでハイタッチをかわす関本

セ・リーグ 阪神2―1巨人 

(4月13日 甲子園)
 新神様の一打で5連勝だ。阪神は13日の巨人戦で、1―1の延長10回2死満塁から代打・関本賢太郎内野手(35)が左前打を放って今季2度目のサヨナラ勝ち。巨人を抜いてリーグ2位に浮上した。シーズン最初の甲子園巨人戦で3連戦3連勝。18年ぶりにリーグ優勝を果たした03年以来11年ぶりのできごとで、なんともゲンがいい。

 誇らしげに右腕を高々と突き上げた。ナインがぶちまけるウオーターシャワーを、うれしそうに浴びた。熱闘の決着は関本だ。「最高です! みんながつないでくれたチャンス。何でも行ってやろうと思っていた」

 延長10回、2死一、二塁から鳥谷が三遊間を破る。外野は極端な前進守備で、二塁走者の俊介は三塁ストップをしいられた。投手・安藤の打順、和田監督が「とっておきのとっておき」を代打に告げる。関本は「何でも…」の考え通り、初球からバットを出した。「引き分けはいらない。絶対に勝つ、と思っていた」。低めの速球を捉えた一打が三遊間を抜けた。

 お約束でも聞きたい、このフレーズ。お立ち台では「ここ何年も山口くんから打っていなかった。必死のパッチで打席に入った」と声を上げた。まさに必死―。努力を結実させてのヒーローインタビューだった。

 「山口に限らず後ろ、中継ぎや、抑えから打ててなかったので。オフにフォームを改造したし、そういう意味ではやって良かったと思う」

 今季自身7打席目で早くも悲願を達成した。昨オフの一念発起。数年間も変えていなかった打撃フォームの改造に挑んだ。昨季まで上半身の低い位置で構えていたバットの位置を高くし、投球に最短距離でヘッドを出していくためにバットを寝かせる形へ。そこには、猛虎戦士としての熱い思いが秘められていた。

 「後ろの投手を打てなかったから、何かを変えようと思った。なかなか簡単には勝たせてくれない相手だから」

 巨人を倒さなければ優勝の道はないと知っている。リーグ連覇の王者が破壊力ある打線とともに看板とするのが、白星を守り抜くリリーフ陣。特に山口からは、ここ2シーズン続けて1点も奪えず、関本自身も通算対戦打率・174、11年8月23日を最後に8打席連続無安打中だった。慣れ親しんだ打法に手をつけた意図は、この日の一打を生むことにあった。

 甲子園のファンを大喜びさせた3連戦3連勝。「チームが一つになって勝つことに燃えている。きょうの勝ちは、どうこうない。次の対戦が大事」と、決して余韻に浸ることなく先を見据えた。桧山が引退しても、虎には頼もしい代打の神様がいる。

 ≪10勝一番乗りなるか≫関本(神)が延長10回サヨナラ安打。自身サヨナラ安打は11年6月14日の日本ハム戦で増井から中安打して以来通算6本目。阪神の最多サヨナラ安打は田淵、矢野の10本だが、現役では鳥谷と並び最も多くなった。これでチームは5連勝で単独2位に浮上。勝利数は首位広島と並び9勝とし、15日からは広島と首位攻防の3連戦。阪神がセ・リーグ10勝一番乗りなら08年以来6年ぶり。両リーグ一番乗りなら58、02年以来12年ぶり、球団史上3度目になるがどうか。

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