バレ“飛ばし過ぎ”4戦連発!「ボール変わったからね」

[ 2014年4月14日 05:30 ]

<D・ヤ>6回2死、左越え本塁打のバレンティンはカメラに向かってOKサイン

セ・リーグ ヤクルト4―2DeNA

(4月13日 横浜)
 今年は春先から全開だ。昨年、プロ野球記録の年間60本塁打をマークしたヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が13日、DeNA戦の6回に左翼にダメ押しの6号ソロ。4戦連発で早くもリーグトップに並んだ。主砲の一発が効いて、チームは4―2で勝利。昨年を上回る年間66本ペースで飛ばす主砲は「飛びすぎる」と言われる統一球の追い風も受け、量産態勢に入った。

 バレンティンは怒っていた。相手にではない、自分自身にだ。3―2の6回2死。モスコーソの7球目の外角高め直球を振り抜くと、ライナー性の打球が瞬く間に左翼席へ吸い込まれた。実は、フルカウントからの6球目、同じコースに来た球を打ち損じてファウル。許せなかった。「怒りを球に当てた」という一撃は4戦連発となり貴重な追加点。何よりも、チームの勝利につながったことがうれしかった。

 「1点差と2点差ではクローザーの気持ちが違うと思う。まだしっくりした感覚がないが、本塁打や安打がコツコツ出ているので、それが積み重なればいい状態が戻ってくるだろう」

 6号は阪神・マートンに並びリーグトップタイ。昨季はWBCで故障した影響もあり、シーズン初アーチは16試合目だったが、13試合で6本。60本塁打の日本新記録を樹立した昨年を上回る66発ペースだ。球界が「飛びすぎる」統一球騒動に揺れるなか、11日のDeNA戦(横浜)で放った4号ソロは三浦の外角スライダーをこするような感じで右翼席へ運び「飛ぶボールに感謝」と発言。この日も「ボールが変わったからね」と笑い飛ばした。

 バレンティンは満喫していた。前夜は同僚の相川、同じオランダ領キュラソー島出身の楽天・ジョーンズと都内の鉄板焼き店を訪れ、神戸牛に舌鼓を打った。前カードの名古屋遠征中もステーキに焼き肉と、とにかく肉料理が大好物。来日4年目ですっかり日本のしきたりもマスターし「AJ、ペイ(払う)。AJ、センパイ。ジャパニーズスタイル」と、ちゃっかり支払いは任せて、スタミナを蓄えた。

 モスコーソは、フロリダ州マイアミにあるお互いの自宅が車で約15分のご近所さん。しかし「試合に入ったら友達という意識を消して野球に集中した」と、日本球界での先輩としての貫禄を示した。課題の守備でも7回、下園の左翼ファウルゾーンの飛球をフェンスにぶつかりながらスライディングキャッチ。「投手が一生懸命投げていたから救ってあげたかった」とサラリと言った。

 15日の巨人戦(静岡)では自身初の5戦連発の期待も懸かる。3月15日の楽天とのオープン戦で則本から一発を放っている球場だけに「あさってぜひ、静岡でできたらいい」と豪語。「肉食系男子」バレンティンは飢えていた。

 ▼DeNA・モスコーソ(バレンティンについて)彼は日本で成功している選手なので対応力がある。きょうも3打席目に対応してくるのはさすが。高めに浮いた球を打たれてしまった。

 ≪ペタ、ラミに並んだ≫バレンティン(ヤ)が4試合連続となる6号ソロ。自身4戦連発は11年8月、13年6月とマークしたのに次ぎ3度目。ヤクルトで4戦以上の連続アーチを3度はペタジーニ(5戦2度、4戦1度)、ラミレス(5戦1度、4戦2度)と並ぶ球団タイ記録になった。昨年は60本塁打のプロ野球新記録を樹立したが、故障のため開幕から12試合欠場。初アーチはチーム16試合目、6号は27試合目と出遅 れた。今季の開幕13試合で6本は来日1年目の11年に14試合目で記録したのを上回る自己最速ペースだ。また、この日は新外国人のモスコーソ(D)から。これで2日広島戦の大瀬良、10日中日戦の福谷と合わせ、半数の3本を初対戦の投手から放っている。

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