内川 2打席連発!好調“侍打法”「叩く」から「斬る」に

[ 2014年3月17日 05:53 ]

オープン戦<ソ・巨>2回2死一、二塁、左越えに3ランを放つ内川

オープン戦 ソフトバンク10―0巨人

(3月16日 別大興産)
 ソフトバンクの内川聖一外野手(31)は16日、巨人戦で内海哲也投手(31)を2本塁打を含む3安打6打点と打ち込んだ。3本塁打、14打点のオープン戦2冠王。好調を維持するのは、今季から取り組む「侍打法」にある。バットがボールに当たる瞬間、ヘッドスピードの速さを重視した打撃に改造。内川の活躍でチームは1分けを挟む9連勝し、オープン戦単独首位に立った。

 内川のバットは「なた」から「刀」へと進化した。2回2死一、二塁。内海の内角直球を捉えた手応えは「芯詰まり」だと振り返った。芯の近くに当たって詰まっても飛んだ。左翼席中段で弾む3ラン。4回2死二塁はさらに顕著だ。内海のチェンジアップに泳がされたが、左翼上部の防護ネットに当たる130メートルの2ランとなった。「引っかかりが凄くよかった」。変わったのは、鋭さを増したスイングだった。

 「ガツンとぶつけるのではなく、スパンとする感じ」。内川は独特の表現をする。昨季まではバットにボールが当たる瞬間、強く叩くことだけを意識していた。なたで対象物を叩き切るイメージだ。今季は違う。ヘッドスピードが一番速くなった時にミートすることを心掛けている。侍が刀を抜き、勢いを増しながら、対象物を斬る動作に近い。無駄な力をなくし、ミートポイントで最大限の力を伝えるわけだ。

 自己最多だった昨季の19本塁打から、上積みを目指すプロ14年目。オープン戦トップタイの3本塁打、単独トップの14打点で2冠となり、長打力を証明している。「侍打法」には相乗効果もある。「力を入れて振っていない分、体のぶれも少なくなっている」と内川。今まで以上に柔らかさを感じさせる打撃フォームは体の上下動を減らし、確実性は増した。規定打席には足りないものの、打率・444のハイアベレージを維持している。

 今季、打率3割を達成すれば、右打者では落合博満(現中日GM)に並ぶ最長の7年連続となる。安打製造機としての魅力も十分だが、今季は長打も期待できる。不動の3番打者は、どこまで打撃を極めるのだろうか。

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2014年3月17日のニュース