マー君キャンプイン顔見せ32球 右に黒田、左にサバシア

[ 2014年2月16日 05:30 ]

キャンプ用のユニホームでグラウンドに入る田中

 ヤンキースの田中将大投手(25)が15日(日本時間16日未明)、フロリダ州タンパでキャンプイン。早速、CCサバシア投手(33)、黒田博樹投手(39)らと並んでブルペン入りし、32球の投球練習を行った。田中は5年ぶりの世界一を目指す伝統球団の先発3番手として期待されており、開幕に向けて本格的な調整を進める。14日のバッテリー組集合日には、日本と同様に「マー君」の愛称で呼ばれるなど、ヤ軍の中で早くも存在感を発揮した。

 田中は伝統を体感しながら32球を投じた。初日に先発ローテーション投手がブルペンで並び、一斉に投球練習を行うのがヤ軍特有の儀式。左にはエース左腕サバシア、右には黒田とノバがいた。捕手を座らせ、ノーワインドアップで17球、セットポジションで15球。スプリット、ツーシーム、スライダーを交えた。

 ブライアン・キャッシュマンGM、ジョー・ジラルディ監督のほか、2人の臨時コーチからも熱視線を浴びた。98年に完全試合を達成した左腕デービッド・ウェルズ氏とダイエーにも在籍した殿堂入り右腕リッチ・ゴセージ氏の両OBだ。報道陣は100人近く。日本人ファンからも声援が飛んだ。独特の雰囲気でも物おじしなかった。

 「見て学んで感じて、自分でやっていろいろと経験できればいい」と田中は言う。投手5番目の大型契約となる7年総額1億5500万ドル(約158億1000万円)で加入した右腕の、大物ぶりが垣間見えたのは球場入りからだ。集合時間は午前9時15分だったが、投手陣で大トリの同9時6分にクラブハウスへ到着した。紺色の背番号19の練習用ユニホームに着替え、時差ボケについて「ちょっと残っていますね。夜中に寝られない」と苦笑いしていた。

 前日の集合日にはサバシアと初対面。通算205勝の33歳は1メートル88、93キロの田中について「体がでかいね。あんなに大きいとは知らなかった。喜ばしいことだよ」と語った。自身と5番手候補のピネダは2メートル1の巨漢。さらに黒田は1メートル85、4番手ノバも1メートル93と長身で「いつ、乱闘があっても大丈夫だ」と笑った。

 サバシアは昨季、急激な減量がたたり、いずれも自己ワーストの13敗(14勝)、防御率4・78。「今年は違う」と精かんさを増した顔で話した左腕にとって、新エース候補の加入は刺激になったはずだ。黒田とは初日からキャッチボールを行うなど、早くも先発陣の連帯意識が生まれている。

 同じ88年生まれの中継ぎ右腕クレイボーンからは「知ってるよ。マー君っていうんだろ?」とあいさつされ、田中は照れつつ「イエス、アイム、マー君!」と即答した。堂々と、新たな一歩を踏み出した。

 ▼楽天・三木谷浩史オーナー 行ったからには頑張ってほしい。できるだけ早く溶け込んでくれたらいいと思います。 

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