さすがユーキリス!駆け付け130m弾 三木谷氏うならせた

[ 2014年2月16日 06:20 ]

頬のヒゲを剃り打撃練習を行うユーキリス

 楽天の新外国人ケビン・ユーキリス内野手(34)が15日、沖縄・金武町のベースボールスタジアムで行ったケース打撃で約130メートルの本塁打を放った。来日初の実戦形式で、いきなりメジャー通算150本塁打の本領を発揮。視察に訪れた三木谷浩史オーナー(48)をうならせた。また、ドラフト1位・松井裕樹投手(18=桐光学園)が打撃投手を初めて務め、打者2人を相手に計50球を投げ込んだ。

 無死一、二塁を想定した打席。ボール、ファウル後の3球目だった。ユーキリスのバットが捉えた白球は、低い軌道でバックスクリーンへと吸い込まれた。チームメートの感嘆の声の中で、メジャー通算150本の新助っ人は静かにダイヤモンドを回った。

 「狙っていない。センター方向にライナーを意識したら、たまたま入っただけさ」。肘を畳んだコンパクトなスイングから大きなフォロースルー。広角に放つ打球が持ち味だが、推定130メートルの飛距離も圧巻だった。「あのケース(無死一、二塁)では、最低でも犠飛か単打を考えていた」とチーム打撃を強調し、実際に1死満塁を想定した2打席目にはきっちり中犠飛を放ってみせた。

 この日から久米島から沖縄本島の金武町に場所を移して2次キャンプが始まった。その初日に初の実戦形式で力を見せつけた。視察に訪れた三木谷オーナーも「シュアな打撃の中距離砲と聞いていたが、距離も期待できるね」とご満悦。これで、3億円といわれる年俸なら安い買い物だ。

 敬けんなユダヤ教徒であるユーキリスの人柄を称える声も多い。第1次キャンプを行った久米島への恩返しも込めた砂浜清掃にも進んで参加。誰よりも袋にゴミを集めた。この日、頬までもじゃもじゃに生やしていたひげをすっきり整えて現れた。「きれいに整えた」という来日時より、さらに清潔感は増した。その姿に三木谷オーナーはあらためて「宗教上のこともあるし、彼のひげは特例ですよ」と容認した。

 フリー打撃ではあえて柵越えを狙わずに右、左と打ち分けた。前日は同僚のファルケンボーグらと宿舎の高級中華料理を堪能し、英気を養った。16日の練習試合・韓国サムスン戦(赤間)を皮切りに始まる対外試合の出場は未定だが、バットもひげも、既に臨戦態勢だ。

 ▼ソフトバンク・橋本敬司スコアラー(体の)近くまで呼び込んでうまく打っている。キャリアを感じる。実戦で見たい。

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