青木 ロ軍で1番確約 29年ぶり地区Vの使者「求められているのは出塁率」

[ 2014年1月1日 10:13 ]

新天地となるロイヤルズの帽子を片手に笑顔を見せる青木

 2014年シーズン。大きな野望を抱く男がいる。昨年12月にブルワーズからロイヤルズへトレード移籍した青木宣親外野手(31)だ。29年ぶりの地区優勝を目指すチームで既に1番打者を確約されている。初めてのア・リーグ、憧れだったヤンキースタジアムでの試合、日本人投手との対決…。今季終了後に日米通じて初めてFAとなる青木が、勝負の3年目に臨む決意を激白した。

 昨年12月5日、青木の携帯電話が鳴った。「トレードが決まった」。代理人からの連絡に「えっ、ロイヤルズ?」と耳を疑った。12年まで9年連続で負け越していた地方都市の球団。しかし、獲得理由などの説明を受けると、初のトレードをすぐに前向きに捉えた。

 「チーム内では2014年は“優勝”が合言葉のようになっていると聞いた。先日(デイトン・ムーア)GMと直接、電話で話し、“日本にいた時から君のことを注目していた。今回獲得できて興奮している”と」

 ロ軍は昨季、86勝76敗でア・リーグ中地区3位と大躍進。才能豊かな若手が成長し、今季は最後に世界一に輝いた85年以来の地区優勝を本気で狙っている。目標に向かう上で、足りなかったピースが1番打者だった。昨季はチームの顔であるゴードンが務めたが、本来は中軸を打つ打者。青木を1番に固定できれば、昨季20発のゴードンを5番に置くことができる。

 「求められているのは出塁率。そうなると、安打数も必要になる。200安打はもちろん、目指す数字で、それがクリアできれば、打率も自然と3割以上になる」

 日本球界でただ一人、200安打を2度記録した青木だが、メジャーではまだ達成できていない。控えからスタートした1年目は150本。2年目は171本で終了したものの、最後の10試合は打率・390をマークした。

 「ある程度、手応えを持って終われたシーズンと、そうでないシーズンでは、オフの自主トレのやり方も変わってくる。そういう意味ではスムーズにいっている」

 初めてのア・リーグ。新たなモチベーションも生まれた。

 「メジャーに行く3年前(09年)にヤンキースタジアムでワールドシリーズ第2戦を観戦した時に、松井(秀喜)さんがペドロ・マルティネスから本塁打を放った。あの時、自分もここでプレーしたいと思った。ここ2年間は試合がなかった。今年は同じリーグ。できればヤンキースタジアムでホームランを打ちたい。それにア・リーグは日本人投手も多いし、対戦も楽しみ」

 今季終了後にFAとなる青木の年俸は195万ドル(約2億円)。これはヤクルト時代の最高年俸(3億3000万円)よりも低い。12年にブルワーズと契約した時、年俸にはこだわらず、地位を確立することを優先したからだ。今オフは俊足外野手の大型契約が続出し「もの凄い夢が膨らんだ」と笑う。勝負の一年であることは誰よりも自分が分かっている。

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2014年1月1日のニュース