いざプロ1年目!楽天・松井裕 誓った「攻めの気持ち」

[ 2014年1月1日 05:30 ]

「攻めの気持ち」と書した楽天・松井裕

 プロとして新たなスタートを切る楽天のドラフト1位・松井裕樹投手(18)は新年の書き初めで「攻めの気持ち」と書いた。1年目の数字的な目標は設定しないが、ひそかな楽しみがある。自らを成長させてくれた甲子園のマウンドに再び立つことだ。

 「甲子園のことは引きずっていないが、非常に投げやすいマウンド。プロでもまた投げたい」

 桐光学園(神奈川)のエースとして出場した12年夏。縦に鋭く変化するスライダーを武器に、初戦の今治西(愛媛)戦で10者連続を含む1試合22奪三振の大会新記録を樹立した。4試合で68奪三振をマークし、一躍、スター選手となった。その「聖地」で、今度は楽天のユニホームを身にまとい投げる自身の姿に思いを巡らせた。

 2年ぶりの凱旋登板。それは同時に雪辱の舞台でもある。12年夏の準々決勝・光星学院(青森、現八戸学院光星)戦では0―3で敗れ、悔しさだけが残った。ファンが期待した大阪桐蔭・藤浪(阪神)との対戦も日本一も持ち越しとなった。そして13年はセンバツ、夏ともに甲子園出場の夢はかなわなかった。

 ただ、プロで甲子園で、そして藤浪と投げ合う可能性は十分にある。今季はオープン戦では阪神―楽天戦は組まれていないため、交流戦最終カードとなる6月21、22日がプロ初の甲子園登板のチャンスとなる。阪神には藤浪に加え、光星学院戦で致命的な2点適時打を浴びた北條も在籍する。「まだまだ自分のやるべきことが多い。誰と対戦したいとかはない」と言いながらも、特別な場所で特別な相手と対峙(たいじ)したい思いは強い。

 プロでのお手本は田中将大だ。13年シーズンを24勝無敗で終えた絶対エース。「自分もピンチになればなるほどギアを上げることを意識しているがレベルが違う。コントロールを磨いて一歩でも近づけるように頑張りたい」。三振へのこだわりは「特にない」と言い切り、「それよりも勝てる投手になりたい」と海を渡る先輩右腕を目標に掲げた。

 星野監督がキャンプで1軍スタートを明言するなど、高卒ルーキーながら即戦力投手としての期待、プレッシャーを背負う。それでも「楽しみな部分の方が大きい」ときっぱり。紅白戦、オープン戦でアピールし、開幕ローテーション入りを勝ち取る。そして、6・21、22に控える甲子園のマウンドで、「攻めの気持ち」と成長した姿を見せる。

 ≪154球力投も涙≫桐光学園の2年生エースだった松井裕は初回に3三振 を奪うなど7回まで3安打無失点。8回2死一、三塁から3番・田村(現ロッテ)の左前適時打で先制を許すと、続く北條(現阪神)には左中間2点二塁打を浴び3失点。9回154球を投げ6安打3失点、毎回の15奪三振の力投を見せたが、チームは0―3で敗れ4強進出はならなかった。

 ◆松井 裕樹(まつい・ゆうき)1995年(平7)10月30日、神奈川県生まれの18歳。小2から元石川サンダーボルトで野球を始め、山内中では青葉緑東シニアに所属し3年時に全国大会優勝。桐光学園では1年春からベンチ入りし、同年秋からエース。13年ドラフトで中日、DeNA、楽天、ソフトバンク、日本ハムの5球団が1位指名競合の末、楽天入り。小さい頃は巨人・高橋由のファンだった。目標とする投手は楽天・田中。対戦したい打者はソフトバンク・内川。1メートル74、76キロ。左投げ左打ち。血液型A。家族は両親と弟。

続きを表示

2014年1月1日のニュース