楽天大当たり年だ!松井獲ってマー後継者に

[ 2013年10月25日 06:00 ]

胴上げされる桐光・松井

プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD

(10月24日)
 「プロ野球ドラフト会議 Supported by リポビタンD」が24日、都内のホテルで行われた。昨夏の甲子園で1試合22奪三振の大会記録を樹立した桐光学園・松井裕樹投手(3年)は、今ドラフト最多となる5球団の1位指名が重複。抽選の末、楽天が交渉権を獲得した。5球団以上が競合した高校生は史上7人目。星野仙一監督(66)は、さっそくエース田中将大投手(24)の後継者として高い期待を寄せた。
【指名選手一覧 松井裕樹】

 気持ちはすでに東北の一員だった。グラウンドでチームメートから肩車された松井は、さっそく楽天のマスコット・クラッチの人形を右手でかざした。

 「今シーズン優勝した強いチームに選んでいただいて光栄。実感はないが、ホッとしています。(仙台は)中学時代遠征で行ったことがあり、食べ物がおいしかった。牛タンが食べたいです」

 今ドラフト最多の5球団が競合した末、楽天が交渉権を獲得。「(5球団の)高い評価をいただいてうれしい。1軍に入る、1勝するという目標に向かって地道にやって球界を代表する投手になりたいです」と夢を語った。

 楽天は今季、球団創設9年目で初優勝。開幕から無傷の24連勝を達成した田中がチームをけん引した。だが、その田中は今オフにポスティング・システム(入札制度)により大リーグ移籍の可能性がある。松井には大エースの後継者としての期待がかかる。「今年は負けていないですし、凄いです。ゆくゆくは超えられるように育っていきたいと思います」。1年目からローテーション入りした憧れの田中同様の活躍を思い描いた。

 営業面でも松井加入の効果は大きい。今春の神奈川県大会では1万5000人以上の観客が保土ケ谷球場を訪れ、満員札止め。関係者に「こんなフィーバーは記憶にない」と言わしめた。野球部を引退後に山梨県の富士急ハイランドを訪れた際には、ファンが取り囲み騒ぎになったほど知名度も全国区。東北のニューヒーローになれる存在だ。

 「外れたら外れたでいいじゃないか。(競合覚悟で)思い切って勝負しよう」と話していた星野監督は、交渉権獲得の瞬間、満面の笑みを見せ右手の親指を突き立てた。「全国的なやつが来てくれる。魅力的な、攻撃的な、本当に私の好きな、田中のようなタイプ。田中がいれば先生になれるんだろうけど、彼はまだ分からないから」と言いながら表情を崩した。ドラフト会議後には、福田功スカウト部副部長らが桐光学園を訪れ「夢を夢とするなかれ」という闘将の直筆メッセージが書かれた当たりクジを松井に手渡した。

 地元の神奈川のファンに対して「東北でプレーすることになるんですが、これからも応援よろしくお願いします」と決意を口にした。桐光学園のチームカラーと同じえんじ色のユニホームで、プロへの第一歩を踏み出す。

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