ロッテ急転!1位指名は東京ガス・石川 巨人と一騎打ち

[ 2013年10月24日 06:00 ]

東京ガスの石川

2013年ドラフト

 QVCマリンで行われたスカウト会議。約1時間半後に出てきたロッテ・伊東監督は、おもむろに左投げのジェスチャーをしてみせた。桐光学園の左腕・松井を連想させた後、不敵に笑った。

 「鏡に映したら右やな。どうや、この切り返し」。この謎かけ。「右」とは即戦力右腕のことを指している。10日のスカウト会議では松井の1位指名を公言。「ぜひ一緒にやりたい」とラブコールを送ったが、実は方針転換していた。松井の将来性よりも、1年目から先発ローテーションを任せられる即戦力投手に白羽の矢を立てた。1位指名は東京ガスの150キロ右腕・石川が濃厚だ。

 「完投能力のある投手が欲しい。(今季は)完投が3人しかおらんかった。中継ぎと後ろは、来年はとてもじゃないけどもたない。時間が許してくれる状況じゃない」

 石川は1メートル86の長身から、繰り出す150キロを超える直球と鋭いカーブが武器の本格派だ。滑川(富山)で甲子園出場経験はなく、中部大を経て、東京ガスに入社。3年目を迎え、大きく飛躍した。今月上旬の東アジア大会(中国)でストッパーとして4試合に登板し、優勝の立役者になった。伊東監督もスカウト会議の場で映像をチェックした上で能力を高く評価。指揮官の意向を最大限考慮することが球団の基本方針であり、石川の存在感が増していった。

 林信平球団本部長は「だいたいの方向性は出した。最終的に会議の直前に決める」と話した。巨人も石川を1位指名することが有力。競合になれば、伊東監督は原監督と一騎打ちとなる。「くじは右で引く。運命的な出会いを期待している」。大胆な采配が光った勝負師は右手で決める。

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2013年10月24日のニュース