能見 11勝目 気持ちはCS「東京ドームに乗り込みたい」

[ 2013年9月25日 06:00 ]

<神・D>お立ち台でガッツポーズする西岡(左)と能見

セ・リーグ 阪神6-1DeNA

(9月24日 甲子園)
 そう簡単に崩れない。阪神先発の能見が尻上がりに調子を上げ、8回1失点の好投。貫禄を見せつけ昨季の10勝を上回る今季11勝目をマークした。

 「全体的に低めにいってたので最少失点になったのかなと。そこが一番良かった」

 初回2死から梶谷に直球を右翼席に運ばれるソロを被弾。西岡と上がったお立ち台では「早い回に点を取られたので、試合が重苦しい雰囲気になってしまいましたね…。」と自虐的に振り返ったが、目覚まし替わりの一発でギアが入った。

 抜け気味だった直球を補うように、フォーク、スライダーを低めに集め的を絞らせない。同点で迎えた4回1死一、二塁では金城をフォークで遊ゴロ。2死二、三塁となって荒波もフォークで空振り三振に仕留め、勝ち越し点は許さなかった。

 17時15分-。エースはクラブハウスから室内練習場へと歩を進める。甲子園での登板の際は試合前練習を早めに切り上げ、プレーボールまで時間が空いてしまうため、必ず無人の室内で黙々とダッシュを繰り返す。「準備だけはしとかないと」。投手としては異例の精力的な打撃練習も、夏場の走り込みも「準備」の2文字を重視する。1分、1秒を無駄にせず、万全の状態でマウンドへ向かうことが能見のプロとしての流儀だ。

 前回、18日の広島戦では1失点完投勝利で3年連続の2ケタ勝利をマーク。通過点に過ぎない10勝目も「(白星が)付くとね。ピッチャーは特にガラッと気持ちが変わるから」と勢いを持続し、6月1日のオリックス戦と6月8日のロッテ戦以来となる登板2戦連続勝利となった。

 「(巨人への)挑戦権はある。目の前の1試合を戦って東京ドームに乗り込みたい」。巨人にリーグ優勝を許し、新たな目標はクライマックスシリーズ・ファイナルステージでの再戦だ。

 前日、今季3度目の完封勝利を挙げたメッセンジャーとの左右エースを形成する。「シーズンの終わりに大事な試合もある。そこで投げられるように調整する」。秋の大一番へ向けて背番号14の輝きが増してきた。

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2013年9月25日のニュース