阿斗里改め大田、6年目で悲願のプロ初勝利「やっとプロ野球選手に」

[ 2013年6月22日 22:25 ]

プロ初勝利を挙げ、ウイニングボールを手に笑顔を見せるDeNA・大田

セ・リーグ DeNA5―3阪神

(6月22日 横浜)
 DeNAが2ケタ安打で阪神に競り勝ち、リーグ戦再開の初戦を白星で飾った。4-3と1点差に迫られた5回、先発・藤井の後を受けて2番手でマウンドに上がった6年目右腕の大田が、1回1/3を1安打無失点に抑え、ついにプロ初勝利を手に入れた。

 最高の笑顔だった。最後を締めたソーサから受け取ったウイニングボールを左手に握りしめ、大田は中畑監督とガッチリ握手を交わした。そして地元ファンの大歓声の中、上がったお立ち台。「きょうからやっとプロ野球選手になれたかなと思います」。喜びをかみしめるように、ホオを緩めした。

 今季4試合目の登板機会は厳しい場面だった。4―1とリードして迎えた5回、先発の藤井が阪神打線につかまり1点差まで迫られ、なおも2死満塁。マウンドに上がった背番号58は「ものすごく緊張したが、思い切り行くしかないと腕を振っていった」と、気迫の投球で藤井を遊ゴロに仕留め、チームを救った。続く6回も無失点でしのぎ、相手の反撃の勢いを完全に分断してみせた。

 帝京高時代にはセンバツで1試合20三振を奪った経験を持つ。2007年高校生ドラフト3巡目で横浜(現DeNA)入りした大田。登録名「阿斗里」で1年目から期待されたが、課題の制球難から、先発、中継ぎでなかなか結果を残せず、昨季まで27試合0勝10敗。6年目の今季、登録名を本名に戻し、まさに心機一転の再出発を誓っていた。

 試合後、中畑監督は「思い切った継投が見事にハマってくれた。大田が苦しい中でピタッと止めてくれたのが一番大きかった。今後は本当に信頼して使える。いい仕事をしてくれた」と絶賛。チーム浮上へ大きなワンピース登場にご機嫌だった。

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