橋上コーチがブラジル戦偵察 3つの新データを発見

[ 2013年3月1日 10:42 ]

<ソフトバンク・ブラジル>観客に混じって試合を視察する橋上戦略コーチ

 バックスクリーンの左横、テレビのセンターカメラの近くに侍ジャパンの橋上戦略コーチは陣取った。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)初戦の相手ブラジル代表。最後のデータ収集の場となるソフトバンク戦は異例の位置から偵察した。

 「投手のボールの軌道とベンチの動きは、こっちの方がよく見えるんですよ」。気になる場面はバックネット裏のスコアラー陣と連絡を取り合いながら確認した。誤った情報は許されない。どんなにさ細な変化も見逃さずインプットした。

 収穫は十分だ。26日のオリックス戦(京セラドーム)でのデータに、3つのポイントがプラスされた。まずは(1)動きが緩慢な平田ブルーノに代わって出場した捕手のフランサだ。「捕ってからの速さは平田よりも上。それでも走れない捕手ではない」。そして(2)リエンゾ、仲尾次(なかおし)の先発候補2人。日本戦に先発予定のフェルナンデスを加えた3投手が「予選の映像を見て要注意だった。リエンゾは球速がある。仲尾次は予選よりも状態がいい」。その上で(3)フランサが内角中心にリードしたことに着目。「この前は投手が投げ切れなかったが、きょうは内角を突けていた」とした。

 「全体的に制球が悪いから、やはり選んで走るのが効率がいい。怖いのは先に点を取られて焦ること。リードされたらリエンゾ、仲尾次をつぎ込んでくるかも。先制点が重要」。収集したデータはすぐに整理し、各選手に配布したタブレット端末にアップした。橋上コーチは1日かけて対策を練り上げ、2日の試合直前ミーティングで選手に伝える。

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2013年3月1日のニュース