マー君 浩二監督にツーシーム披露!打ち損じ誘って球数抑える

[ 2013年2月2日 06:00 ]

太陽を浴びてブルペンで投球練習をする楽天・田中

 視察に訪れた侍ジャパンの山本監督の前で、日の丸エースの楽天・田中が投じたWBC球が微妙な変化を見せて捕手のミットを叩いた。4年ぶりにキャンプ初日に捕手を座らせたブルペンで、世界を相手に強力な武器となる可能性があるツーシームを投じた。

 「ブルペンの感触はまだまだ自分の状態ではない。(WBC球は)ボールの革が違うので滑る。これからブルペンに入れるだけ入って、投球フォームで“これだ”というものをつかんで(15日からの代表)合宿に行きたい」

 前回WBCが開催された09年はチーム最年少の20歳で日本代表入り。同年はキャンプ初日に88球を投じたが、今回はちょうど半分となる44球。「昔だったら(代表監督の前で)いいところを見せようと力んでいたと思うけど自分のペースで投げられた」と笑顔で振り返った。

 ツーシームとスライダーを3球ずつ投じた。今大会では、1投手の投球数は09年の前回大会よりもラウンドごとに定められた球数が5球ずつ減り、06年大会と同様の形となる。1次ラウンドは65球、2次ラウンドは80球、準決勝と決勝は95球に制限される。田中にとって球数制限があるWBCで鍵を握る球種の一つがツーシームだ。近年は右打者の内角を攻める際はほぼツーシームを選択し、打ち損じを誘うことで球数の抑制につなげている。捕手の嶋も「(田中の)ツーシームは日本の球だとシュートの変化だけど、WBCの球だとフォークのような縦の変化も加わる」と評した。

 山本監督はブルペン投球を終えてあいさつに訪れた田中に対して、1次ラウンドの初戦となる3月2日のブラジル戦(ヤフオクドーム)に先発起用する方針を伝えた。指揮官は「本人もそう思っているだろうし、誰もがそう考えているわけだから。きょうも変な力みもなかったし、大したもの。先発として軸になる投手」と話した。

 「自分は(前回)日本代表で結果を残していない。常に上を見て進化していきたい」。大会3連覇の成否は田中にかかっている。

 ▼東尾投手総合コーチ 田中とはどの球種が滑るかなどの話をした。まだスライダーはスラーブのようになって、回転数が足りないという話だった。だが、いろんな経験を積んだ投手だし、心配はしていない。

 ▽田中の前回WBC投球成績 すべて中継ぎで4試合に登板し0勝0敗、防御率3・86。2回1/3を投げ3安打5奪三振。唯一の失点は韓国との2次ラウンド1位決定戦で、6回途中に登板。ソロ本塁打を浴びて2/3回を1失点だった。背番号は15だった。

 【田中の2月1日】

 ☆07年 初日からブルペン入りし、捕手を立たせて10球、座らせて53球。直球のみの投球だったが野村監督は「さすが!」と絶賛。

 ☆08年 変化球も交えて38球。捕手を座らせた本格投球を披露し「初日はこんなもんです」と平然。

 ☆09年 捕手を座らせ88球の投げ込み。WBC使用球でカーブの特訓も行い「今年が一番良い」と自画自賛。

 ☆10年 右足首の違和感で、初の初日ブルペン回避。20メートルシャトルランなどのメニューをこなし、「心配しないで」と笑顔。

 ☆11年 捕手を立たせて18球、膝立ち状態で29球と軽めのブルペン投球。「いい感覚で投げられた」と手応え。

 ☆12年 ダルビッシュ直伝の新フォームで、捕手を立たせて54球。フォームの確認を繰り返し、「まだ完璧ではない」と念入りに調整。

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2013年2月2日のニュース