「大谷が納得するまでやらせる」二刀流育成 ブレない栗山流に感銘

[ 2013年2月2日 12:14 ]

練習を終えファンにサインする大谷

 野球評論家の森繁和氏(58)が1日、沖縄・国頭村で日本ハム・栗山英樹監督(51)を直撃。黄金ルーキー・大谷の育成法などについて聞いた。不退転の覚悟で、二刀流を成し遂げようとの指揮官の姿勢に森氏も感服。熱いエールを送った。

 目の前で、大谷が鋭いスイングを見せている。約20分間、打撃ケージ横で栗山監督に話を聞いた。「打撃も凄い。しなやかで素晴らしいんです」。その口調は熱かった。投手出身の私は「まず投手からの方が」と考えていたが、栗山監督の思いは純粋だった。「二刀流でやるからには1年とかで(方針を)曲げるわけにはいかないんです」。強い決意。私は「運命だと思って、とことんまでやればいい」との言葉を贈った。

 投打ともに大きな可能性を秘めた逸材。「厳しい」「無理だ」などの声は当然あったろう。栗山監督は「みんなを集めて話をしました」と、コーチ陣らに育成方針を再確認したという。あくまで二刀流。フロントはもちろん、現場も含めた意思統一。道のりが険しいことは、大谷本人が一番分かっているはず。全員が一体となって同じ方向に進む。栗山監督と話して、球団としてそれができているなと強く感じた。

 長いスパンで、2軍などでじっくり二刀流として育ててもいいだろう。大谷自身が投手、野手のどちらかに絞りたいと言うまで、現在の形を続ける。「投打で1軍」が理想だが、栗山監督は例えば「投手としての大谷を1軍に上げ、野手としては2軍で調整」などのプランも想定しているようだ。とにかく、本人が納得するまでやらせる。その方針にぶれはない。

 栗山監督からは「遠投やノックはどうでした?」と聞かれた。大谷はノックの際、利き腕の右手を背中に隠してボールを受けていた。突き指などを避けるためだが、内野手としての練習なら、送球のことも考え両手でしっかり捕球しなければならない。そう話すと「すぐ(2軍の首脳陣に)言わないと駄目ですね」との答えが返ってきた。試行錯誤は続くだろう。それでも二刀流の育成を貫き通そうとの覚悟。指揮官の言葉から、その思いがまじまじと伝わってきた。 (スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2013年2月2日のニュース