杉内 WBCグラブだ!握り隠して3連覇つかむ

[ 2012年12月31日 06:00 ]

前回WBCで中継ぎとして好投した杉内

 巨人の杉内俊哉投手(32)が、来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)用にグラブを改良した。球の握りを隠すためにこれまでよりサイズを大きくし、重量も重くなった。来年1月の自主トレから使用する。侍ジャパンの代表候補の中では唯一の連覇経験者が、新グラブとともに3連覇を目指す。

 WBC仕様だ。杉内が来年3月のWBCに向け、グラブを改良した。「全体を少し大きくした。WBCもあるし、いろいろなことを考えてね」。既に契約するアシックス社から手元に届き、1月の鹿児島県薩摩川内市での自主トレから使用する。

 変更点は2点。まずはグラブの指の部分の長さをそれぞれ1センチずつ長くした。ボールを握った左手とグラブを「ポン」と叩いて投げ込む独特のフォームだが、投げる前にグラブからボールが離れるために、相手打者やベンチから握りが見えやすい。特にキューバは前回大会でもベンチから大声で打者にコースを知らせていた。わずかな違いではあるが、少しでも大きなグラブで球の握りを覆うことで、そうした声を防ぐことができる。

 サイズを大きくすることで重さも増す。右手のグラブの重さを利用して体重移動すれば、体全体を使え左腕にかかる負担が軽減される。左肩に不安を抱えるが、WBCでは中継ぎで連投することも予想されるため、肩への負担は軽いに越したことはない。WBC後のシーズンでも使用することを考え、日の丸の刺しゅうは控えたが、WBC3連覇と日本一連覇をこの新たな相棒に託す。

 侍ジャパンの代表候補メンバーの中で唯一、過去2度の頂点を経験している。特に09年の第2回大会では、中継ぎで5試合計6回1/3を無失点に封じ、連覇の原動力となった。「ボールをよくこねること。四球を与えない。しっかり制球すること」と国際大会でのポイントを挙げながら、自信をのぞかせた。

 シーズン終盤に発症した左肩違和感の経過は良好。現在は70メートルの遠投をこなし、来年1月にはブルペンにも入る予定。杉内は、グラブのわずか1センチの違いにもこだわる妥協なき準備を進めている。

続きを表示

2012年12月31日のニュース