イチ 通算100号も「冷められないようにしないと」

[ 2012年8月1日 06:00 ]

<ヤンキース・オリオールズ>7回2死、右越えにメジャー通算100号を放つヤンキース・イチロー

ア・リーグ ヤンキース4―5オリオールズ

(7月30日 ニューヨーク)
 ヤンキースのイチロー外野手(38)が30日(日本時間31日)、オリオールズ戦に8番・右翼で出場し、7回に大リーグ通算100号となる右越え5号ソロを放った。移籍後初本塁打で松井秀喜外野手(38)以来、日本人選手2人目の大台到達。大リーグ12年目での節目の一発を新天地の本拠地で飾った。移籍後7試合連続安打で、移籍後初打点も記録した。

 ヤンキースタジアムの場内スクリーンに、イチローの通算100号が知らされると、4万3052人観衆の拍手が鳴りやまなくなった。移籍後7試合目に飛び出した初アーチは、メジャー12年目、1851試合での大台到達となった。

 「同点でも逆転でもない。あんな反応をしてくれるとは思っていなかったのでちょっと戸惑いましたね」。7回、初対決のゴンザレスの2ボール2ストライクからの91マイル(約146キロ)の直球を捉え、高い放物線で右翼席2階の看板を直撃した。推定飛距離363フィート(約110メートル)。移籍後初打点を文句なしの一発で挙げた。「それは大きいですね」と本拠地での初アーチに喜びを示したが、松井以来日本人2人目の100号到達には「恥ずかしいですよ。2年で打つ人がいますから」と照れくさそうに話した。日本時代は9年、951試合で118本だった。

 ケビン・ロング打撃コーチは「イチローはフリー打撃から本塁打バッターのような当たりを連発する。マリナーズの時と違い、勝負に来てくれるし、彼の技術が生きる」と話した。本塁打の場面は2ボールからストライクを投げてきた。マ軍時代はカウントが悪くなれば、勝負を避けられてきた。しかし、ヤ軍は強力打線の上、イチローは下位の8番。必然的に勝負に出てくる。さらに球場も後押しする。マ軍時代のセーフコ・フィールドは右翼99・7メートルに対し、ヤンキースタジアムは右翼95・7メートルしかない。右中間の膨らみもなく、量産も期待できそうだ。

 ただ、イチローは1点を追う9回1死一、二塁で遊ゴロに倒れたことを猛省した。

 「最後(の打席)が一番悔しい。なるべく(地元ファンに)冷められないようにしないと」

 移籍後7試合全てに安打を放っているが、イチローが求めているのは勝利につながる打撃だ。

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2012年8月1日のニュース