雄星 母校・花巻東敗退にショックも5回1失点1勝

[ 2012年7月27日 06:00 ]

<西・ロ>今季初勝利を挙げ、ウイニングボールを手にする西武・菊地(右)と栗山

パ・リーグ 西武2-1ロッテ

(7月26日 西武D)
 5回の投球練習中。西武・菊池は左手中指に血マメができたことに気づいた。だが、マウンドに上がり、里崎、清田から直球で空振り三振を奪った。それまで2安打されていた荻野貴もカーブで三ゴロに打ち取った。この回で降板したが、5回1失点で今季初勝利を挙げた。

 「何とか粘り強く投げられてよかった。1死でも多く取って先輩方に回せたら良かったんですけど…。申し訳ないです」。反省が口を突いたが、お立ち台ではウイニングボールを手に笑顔を浮かべた。最速148キロの直球に「1軍ではほぼ初めて投げた」と振り返る、110キロ台のカーブで投球に緩急を付けた。6奪三振。初めてマメができた箇所にも「真っすぐもカーブもいい感じで指に掛かっていた。(マメは)その影響もあるかも」とプラスに捉えた。

 特別な思いを込めて上がったマウンドだった。この日、大谷を擁する母校・花巻東が岩手県大会決勝で敗退。プロ1年目の春季キャンプでは花巻東の校章が刺しゅうされたグラブを持参するなど、母校愛の強い菊池にとってはショックだった。「間違いなく日本一を狙えるチームだった。(大谷は)誰が見ても日本一の投手。いろいろな意味を含めて、きょうの試合を頑張ろうと思った」。この日投じた89球は、3季連続甲子園出場を逃した後輩へ向けた無言のメッセージだった。

 菊池の好投でチームは今季初の貯金1とし、初の3位にも浮上。渡辺監督は「雄星は先発の仕事をしっかりしてくれた」と喜んだ。首位ロッテまで3ゲーム差。菊池のような若い力がチームに活力を与える。

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2012年7月27日のニュース