稼頭央がけん引 楽天19安打12点!球団記録にあと1本

[ 2012年5月3日 06:00 ]

<西・楽>8回無死一塁 松井(右)は、右越え2ランを放ちナインに出迎えられる

パ・リーグ 楽天12-2西武

(5月2日 西武D)
 稼頭央だ。先発全員安打で快勝だ。楽天は2日、西武戦で球団記録にあと1本と迫る19安打、今季初の2桁12得点で大勝。2度目の3連勝を飾った。松井稼頭央内野手(36)は2回に中前適時打を放つと、8回にはかつての古巣・西武ドームで実に9年ぶりの一発となるダメ押しの2号2ラン。計3打点と打線を引っ張った。チームも借金完済まで残り1。楽天が薫風ならぬ上昇気流に乗ってきた。

 9年の歳月を経ても、高々と舞い上がる松井の放物線は変わらなかった。5点リードの8回だ。無死一塁で藤田の外角高めの直球を振り抜くと、右翼席中段に消える2号2ラン。かつての本拠地・西武ドームでの本塁打は西武時代の03年9月27日の近鉄戦以来、実に3140日ぶりだ。

 「打った瞬間だったね。久しぶりなんてもんじゃないでしょ。いつだったかな?覚えてないね。ずっとここ(西武ドーム)でやってきていたからね」。星野監督も「稼頭央のホームランで初めて(勝利を確信して)安心したよ」と称えた。

 03年当時は西武の攻守の中心として打率・305、33本塁打をマーク。確かに、あの頃のスピードや力強さは影を潜めた。それでも、えんじ色のユニホームに袖を通して2年目。主将にも就任し、今でもチームに不可欠な存在であることに変わりはない。今季は持病の腰痛で開幕2軍スタート。チームに迷惑をかけた分、取り返したい気持ちは誰よりも強かった。

 10年から6連敗中だった天敵・岸を攻略しただけに、白星の価値も大きい。2回までに9安打6得点。松井も2回1死一、三塁で中前適時打を放った。大久保打撃コーチは「いい投手だけに連打は出ないと思った。ミスショットせずに好球を確実に捉えられた」と満足顔だ。今季初の先発全員安打で、球団記録まであと1本、今季両リーグ最多の19安打。加えて最多の12得点の圧勝で、2度目の3連勝を飾った。

 腰痛で戦線離脱しているエース田中が不在の今こそ、全員でカバーしなければいけない。

 「これで喜んでいられない。あすの試合が大事になってくる。あすからまた勝てるよう頑張りたい」。松井のこの言葉こそ、ナインの総意だ。

 ▼楽天・嶋(2回に今季1号ソロ)3連勝は大きい。あすも美馬さんが勝ってくれるだろう。

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2012年5月3日のニュース