「ウッ!!」楽天・武藤 シャラポワ投法でローテ名乗り

[ 2012年2月4日 06:00 ]

ブルペンで投げ込む楽天・武藤

 久米島のシンリ浜にうなり声が響き渡った。「ウーッ」「ウッ」。声の主は楽天のドラフト1位・武藤(JR北海道)だ。浜辺近くのブルペンで変化球を交えた116球は、気合のうなり声とともに発射された。

 「力を入れた時に出るようです。決めに行く時は声が出るみたいで」

 武藤の特徴は声だけでなく、フォームにある。上半身の力を生かして投げるアーム式。コンパクトなテークバックから、右肘をあまりしならせずテニスのサーブのように一気に右腕を振ってパワーを爆発させる。女子テニスで3度のグランドスラム優勝を誇るマリア・シャラポワ(24=ロシア)は、ストローク時に「ウッ」ではなく「ポウッ」と叫ぶが、武藤がうなり声とともに投げる姿はまさに「シャラポワ投法」だ。

 武藤は主に中京大で抑え、JR北海道では先発。先発陣は田中、塩見以外は席が空いており、一気に先発争いにも食い込む勢いだ。「(首脳陣からアドバイスで)言われることが全部面白い。それを考えながらブルペンに入るのが楽しくなってきました」。世界を獲ったシャラポワのように、貪欲に立ち向かっていく。

 ◆武藤 好貴(むとう・よしたか)1987年(昭62)7月22日、北海道生まれの24歳。札幌藻岩から中京大に進学。4年春に10季ぶりのリーグ優勝に貢献し、MVPを獲得。卒業後はJR北海道に進み、2年目の11年都市対抗1次予選でノーヒットノーランを達成(7回コールド参考記録)。同年ドラフト1位で楽天入団。社会人時代は札幌市内の白石駅に勤務。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

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2012年2月4日のニュース