100球制限にこだわらず…ダルのメジャー適応最優先

[ 2012年1月22日 06:00 ]

笑顔で“メジャー第1球”を投じるレンジャーズ・ダルビッシュ

 レンジャーズのロン・ワシントン監督(59)が、ダルビッシュに対し、公式戦「100球」の球数制限を撤廃する意向を示した。原則中4日で回る先発投手に対し、100球が交代の基準となっているが、移籍1年目のストレスを軽減させるのが狙い。マイク・マダックス投手コーチ(50)も春季キャンプでの自己流調整を認め、移行措置として中5日で登板させる考えを明かした。

 ダルビッシュの力を最大限引き出すには、何をすべきか。ワシントン監督の考えは明確だった。

 「何も100球にこだわることはない。私の判断の上になるが、本人がそれ以上投げられるというなら行かせる。本人と話し合いながら柔軟に対応していきたい」

 分業制が確立する大リーグ。「中4日100球」は大リーグの先発ローテーションの根幹となっている。それを撤廃する意図について、指揮官は「日本でやってきたことをまずはぶつけてもらいたい」と言う。最初から球数制限を行えば、早いカウントでの勝負を余儀なくされたり、四球を恐れて制球が甘くなるなどのデメリットもある。だからこそ、まずは日本時代のスタイルを尊重することが、大リーグへの順応に近道であるとの判断だ。レッドソックスが07年に移籍1年目の松坂に厳格な球数制限を敷いたのとは逆転の発想。マダックス投手コーチも指揮官の意向を受け「疲労が残るなら登板を飛ばせばいい」とした。

 首脳陣の間ではすでに開幕までの調整プランも出来上がっている。2月23日(日本時間24日)のキャンプ初日から、フリー打撃に登板。さらに、マダックス投手コーチは「オープン戦は中5日で、先発の間に1回ずつ打撃練習で投げてもらう。打撃練習の球数は問わない」と言及した。

 完璧ともいえる青写真。レ軍は水面下でドジャースの投手コーチ時代に、野茂、石井を指導したジム・コルボーン環太平洋スカウトから情報を入手。さらに05、06年に日本ハムの投手コーチを務めたマイク・ブラウン氏から調整法を確認し、ダルビッシュの思いを見極めてきたという。

 先発候補が6、7人いるからこそのダルビッシュシフト。「日本ハムで続けてきた調整、トレーニングを続けていくべきだと思っている。去年の後半の何登板かは、中5日で球数も120球投げていた」と語る右腕にとっても、異存はない。

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2012年1月22日のニュース