ダル仰天要求…右翼フェンス下げて!「狭いのは不安」

[ 2012年1月22日 06:00 ]

レンジャーズ入団会見でユニホームを掲げるダルビッシュ。左はワシントン監督、右はダニエルズGM

 レンジャーズと6年契約を結んだダルビッシュ有投手(25)が20日(日本時間21日)、レンジャーズ・ボールパーク内で入団記者会見を行った。日米計250人の報道陣が集結した前で、同投手は同球場の右中間に位置するブルペンを改装してフェンスまでの距離を広げるよう、ジョン・ダニエルズGM(34)に要求していることを明かした。

 レ軍でのプレーで唯一不安に感じているのが本拠地球場の狭さ。ダルビッシュの投球同様、球団側の今後の対応が注目を集めそうだ。

 入団会見という晴れの舞台で、あらためて仰天要求を突きつけた。テレビカメラ35台、日米250人の報道陣が大挙しての全米生中継。レ軍では00年オフ年のロドリゲス(現ヤンキース)に並ぶ規模の入団会見となり、球団は通常の会見室ではなく、往年の名選手の記念品などを展示する「レンジャーズ野球殿堂」にひな壇を設置。その中、ダルビッシュは臆することなく言い放った。

 「球場が狭いというのは不安かな。凄くちょっと、どうなのかなと。1月に(球場に)来た時に右中間のブルペンをもっと削って、(フェンスを)奥にしてくれというふうにGMに言ったんですけど、それが通るかどうか」

 この発言をユーモアと解釈した一部のメディアからは笑い声も起こったが、ダルビッシュはニコリともしない。

 今月2日にレンジャーズ・ボールパークを視察した際のやりとりを明かした上で、即座に会見に同席していたジョン・ダニエルズGMに顔を向け、「どうなんでしょうかね」と追い打ちをかけた。同GMは苦笑。会見後にはサプライズゲストとして登場した主砲ジョシュ・ハミルトンを見ながら「フェンスを下げたら、(左打者の)ハミルトンが困るだろう。2人で腕相撲させて、その結果で決める」と必死のジョークを飛ばした。

 同球場は典型的な打者有利の球場といえる。右翼フェンスが手前にせり出しており、左翼101メートルに対し、右翼99メートル、左中間119メートルに対し、右中間115メートルと差は歴然。昨年までの本拠・札幌ドームと比較しても、右翼、右中間は1メートル短い。さらに同球場では気候の影響で空気が乾燥し、打球もよく飛ぶ。事実、昨季の本塁打数はメジャー30球場で最多の228本。投球には細心の注意が必要となる。

 大リーグ公式球、屋外球場、中4日登板への対応など、これまで日本投手が苦しんだ点については「野球に関して、不安は何もない。プレッシャーも、頭が悪いのかあまり感じない。違う環境で凄い打者や投手の中でできることが楽しみ」と言い切っただけに、唯一の敵が本拠地球場の狭さということになる。

 事実、2000年以降にオープンした13球場のうち5球場で、選手や球団の要望を受けて改修に踏み切っている。タイガースでは左中間が広すぎて右打者がタ軍でのプレーを敬遠するほどだったが、03年オフに本塁から中堅までの距離が120メートル→113メートルと近づけられた。逆にフィリーズはフェンスを下げ、アストロズは左中間のフェンスを高くした。

 「自分はベストを尽くすだけ」。日本が誇る右腕が球団創設52年目でレ軍を悲願の世界一に導くのなら、フェンスの位置を下げることぐらいお安いご用かもしれない。

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2012年1月22日のニュース