巨人・小笠原らプロ選手 高校生をグラウンドで初指導

[ 2012年1月22日 06:00 ]

ユニホーム姿で高校球児に熱心に指導する巨人・小笠原

 プロ野球の現役選手が高校球児に技術指導などを行うシンポジウム「夢の向こうに」が21日、宮崎県総合運動公園で行われた。巨人の小笠原ら11選手と宮崎県の47校459人の野球部員が参加。共にユニホームを着用し、グラウンドでの指導が初めて実施された。

 「やっとこういう形で交流できた。非常に大きな一歩だし、一歩で終わらせずに継続させたい」と小笠原。球児も真剣な表情で聞き入り、宮崎農2年の河島一樹選手は「宝物になった」と感慨深げだった。03年に始まった「夢の向こうに」は昨年までに47都道府県を一巡。これまでのステージ上での指導から一歩進んだ交流を求める声があり、来年から再び全国を回るためのテストケースとして試みが実現した。

 プロアマが断絶した「柳川事件」から51年。現在も日本学生野球憲章では、承認なしにプロ選手が高校生を指導することを禁じているが、垣根は低くなりつつある。「このスタイルで、再び日本全国を1周させないといけない」と日本高野連の井本亘事業課長。小笠原は「いつの日か本当に近所の子とか知り合いとか、気軽に交流できる日がくれば」と願った。

 ◆柳川事件 プロ、アマの関係が悪化するきっかけとなった事件。プロ野球は61年4月に日本社会人野球協会と前年まで締結していたプロ退団者の登録時期や人数に関する協約締結拒否を決定。この直後に中日が日本生命から柳川福三外野手を引き抜いて契約した。この一方的なプロ側の行為に対して、アマ側はプロ退団選手の社会人選手としての受け入れを拒否することを決めた。

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