被災の大船渡高、兵庫・明石高と交流試合

[ 2011年5月28日 18:12 ]

交流試合後、観戦に訪れた市民から復興を祈る千羽鶴を受け取る岩手・大船渡高ナイン

 東日本大震災で深刻な被害を受けた岩手県大船渡市の大船渡高野球部が28日、兵庫県明石市を訪れ、1995年の阪神大震災で被災した明石高野球部と同校グラウンドで交流試合を行った。

 試合は神戸市のNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」などの招待で実現。雨が降り、ぬかるんだ土の上でも両校は元気な声を張り上げ、全力プレーを見せた。

 試合は2―2で引き分け。大船渡高の氏家規元主将(18)は「共通点があるし、この日を楽しみにしていた。野球をやっていてよかった」と充実した表情で話し、明石高の林拓磨主将(18)は「大船渡高のプレーにはとても元気や活気があった。自分たちももっと頑張る姿勢が必要だと思った」と感心していた。

 試合後には、雨で予定していた練習試合を行えなかった淡路三原高(兵庫)の主将らも交えて昼食会を開催。選手らは振る舞われたお好み焼きやそうめんをおいしそうにほおばりながら、交流を深めた。

 大船渡高は84年の選抜大会でベスト4。その年の夏の甲子園大会には明石高とそろって出場している。当時の主将だった大船渡高の吉田亨監督(44)は昼食会で「現時点では両校にとって最高の試合だった。甲子園に届くため、もう1、2歩進もう」と呼び掛けた。

 大船渡高野球部は約10人が津波で家を流されたほか、数人が家族を亡くすなど、震災で大きな被害を受けた。29日には神港学園高(兵庫)と試合を行う予定。

続きを表示

2011年5月28日のニュース