坂本“自画自賛”先頭打者弾!巨人、虎3連破

[ 2010年8月23日 06:00 ]

<巨・神>1回無死 坂本は左越えに先頭打者ホームランを放つ

 【巨人3―0阪神】バットを手放し、右拳を握った。カード3連勝を狙った首位・阪神との大一番。今季4本目の先頭弾は、虎党が陣取る左翼席の上段に消えた。「チームとして最初の打席に立つので、そこで一発を打てるのはうれしい」。お立ち台で素直に喜びを表現した巨人・坂本に、G党は大歓声で呼応した。

 外角を意識しながら内角球に反応した。2ストライク1ボールで上体は突っ込んだが、「く」の字の体勢で一気に回転。内角低めの147キロ直球をはじき返した。3回も先頭で中前打。1番として初回の打席に高い意識を持ちながら、過去5試合はすべて凡退していただけに「最近は追い込まれてあっさり終わっていたので、きょうはよくできた」と自分を褒めた。
 約束の一発でもあった。昨年12月に神奈川県厚木市内にあるリハビリ専門施設を慰問。通院している子供たちと交流して「来年の夏休みに東京ドームでキャッチボールをしよう」と約束した。この日は院内学級の児童3人を招待し、練習前にグラウンドでキャッチボールも実現。「きょうは打つよ」と言葉も掛けた。「苦しんでいる子供たちからの言葉は励みになる。1人でも多く勇気づけたい」。約束を果たした若きリードオフマンは、大きく胸を張った。
 前カードの中日3連戦(ナゴヤドーム)は3連敗で、自身も計2安打。18日の第2戦では山井の無安打無得点試合を阻止する22号ソロも放ったが、空砲に終わった。悔しさを背負い臨んだ戦いだった。
 首位・阪神と3ゲーム差の3位から、3連勝で一気にゲーム差をなくした。72、73年、08年も勝負どころで虎に3連勝して優勝を決めている。再現VTRのような3日間。原監督は前回3連戦のリベンジの舞台でもある24日からの中日戦に向け「しっかり準備して戦いたい」と決意を語った。
 お立ち台の最後に坂本は力強く言った。「今度は(中日に)東京ドームで3つ勝てるように頑張ります」。日曜日のデーゲームで詰め掛けた多くのファンと交わした約束。次も必ず実現させる。

 ≪先頭打者アーチは今季4本目≫坂本が今季4本目の初回先頭打者アーチ。チームのシーズン最多初回先頭打者本塁打は07年高橋由の9本(プロ野球記録)だが、4本は5位タイの記録だ。また、プロ4年目の坂本はこの日の一発が通算50号。巨人で高校出4年目までに通算50本塁打以上は、95年松井秀喜(現エンゼルス=3年目)、62年王貞治(4年目)に次ぎ3人目のスピード到達になった。

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2010年8月23日のニュース