リーグトップの7盗塁、荻野貴が走る!ロッテも走る!

[ 2010年4月5日 06:00 ]

6回無死満塁、大松の右犠飛で三走・荻野貴が生還

 【ロッテ10-4オリックス】世界の盗塁王・福本豊氏は1065盗塁のプロ野球記録を残す一方で盗塁死299の歴代ワーストの記録も併せ持つ。失敗を恐れていては何も始まらない。売り出し中のロッテの新人・荻野貴にその勇気を見た。

 初回、先頭の西岡が出塁したが、けん制死。ところが荻野貴は四球を選ぶと続く井口の初球に二盗を成功。2度けん制された後、完ぺきなスタートを切り、捕手の鈴木は焦って球を握り損ね二塁送球すらできなかった。
 「西岡さん(のミス)をカバーしたかった。木佐貫さんはクイックが速くないし、ある程度のスタートを切ればいけると。神経を研ぎ澄ました」。前日は初の盗塁失敗。西岡のけん制死も目に焼き付いていた。それでもプレッシャーをはねのけ、逆に木佐貫にプレッシャーをかけ、サブローの2点適時打で先制ホームを踏んだ。前日の4回7得点の逆転劇も始まりは荻野貴。けん制悪送球を誘い、金子を攻略した。
 4度盗塁王を獲得した西村監督は言う。「一線級の投手が来ても足で揺さぶることで一気に流れを変えられる。荻野が実行してるね」。今季12試合目で7盗塁はリーグトップ。盗塁した際に4度生還(1イニング2盗塁が1度)している。さらに23度出塁し、その回でチームは14度得点を記録。荻野貴が出れば60%の確率で得点していることになる。
 50メートル5秒6の快足の持ち主だが、プロに入り、走塁面にさらに磨きがかかった。社会人時代に4歩半だったリードを5歩に広げ、二塁ベースまでの到達距離を縮めた。さらにスタートダッシュを強化。頭からの始動を左足からに変えたことでトップスピードに乗るまでの時間が早まった。
 ロッテの首位快走。「僕の役目はチャンスメーク。それができてよかった」という荻野貴の足の貢献度は計り知れない。

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2010年4月5日のニュース